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第7話 キスして、そして

「祠堂……」 「いやですか、これ?」 「違……」 「分かりました」  なにが分かったのか、分かってしまったのか、その確認をやり取りすることなく、枢流は右手の動きを忙しく速めた。  そして、左手を沙羅衣の先端にそっとかぶせる。 「いつでもどうぞ」 「違う……違うんだ、祠堂……」 「またですか。今度は、なにが違うんです?」  興奮のためではなく、周知のために、沙羅衣の顔が真っ赤に染まる。 「キス、してくれ」 「いいですが……」 「キスしないと、いけないんだ、おれは……そういう、体なんだ……だから……」  少し驚いた枢流だったが、すぐに、平静に戻る。 「どうしてまた、そんな……?」 「事情が、あってっ……お、お願いだ……」 「お願いとは、つまり?」 「キスして……いかせてくれっ……!」  枢流は、キスも急激で、激しかった。  沙羅衣に唇に自分のそれを押し当てると、舌先で口をこじ開け、そのまま一気に侵入する。 沙羅衣の粘膜が、ここでも枢流に蹂躙された。  ああ。  もう、だめだ。 「んんんん……ああッ……!」  快感が弾けた。  びゅくんッ!  生まれて初めて人の手でもたらされた絶頂によって、温度も濃度も今までの射精とは別物のそれが、激しく枢流の左手に叩きつけられた。  びゅるっ……びゅっ……びゅう…… 「ああ……」  ふら……  崩れ落ちそうになる沙羅衣を、身長に勝る枢流が受け止める。 「……さっき……屈辱ではないかと聞いたな」 「ええ」 「屈辱ではないが……とてつもなく、恥ずかしいぞ……」 「ふふ、すみません。なんだか、こうしてあげたくなったんです。少し休んでください。話は、それからで」 「ああ」  枢流は、かたわらに椅子を引き出して、沙羅衣を座らせた。 それからウェットティッシュを取り出して、沙羅衣の下半身を掃除していく。  なにか、かつてない出会いを迎えてしまったようだ。  沙羅衣は、ぼんやりとした頭で、そう思った。

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