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第38話 「枢流との時、いつもこうなのか?」
「宇良……くん……!」
「どんなことをしてでも、と言っただろう。枢流に、不幸しか生まない妊娠などさせん。今から、その可能性を摘み取らせてもらう」
「……なに?」
「貴様は、静かに寝転がっていればいい」
堅信は、スカートのすそをさばいて、仰向けになった沙羅衣の膝の上にまたがった。
そして、沙羅衣のベルトをカチャカチャと外していく。
「宇良くん、まさか……!」
「同性妊娠は、童貞の精子でなくては、まず成立させられない。だろ?」
しゅる、とあっけなく、沙羅衣の制服のズボンが脱がされてしまった。
「や、やめろっ!」
「貴様らが使用としていることと比べれば、大したことじゃないだろう」
堅信が、沙羅衣のパンツの上から、ペニスの形をなぞってさらさらと指を這わせる。
「ほら、もう勃起してきた……若い男というのは、悲しいな。まるで心がなくても、刺激さえされれば勃起してしまう」
「は、はなせッ……」
「だが、気にすることはないぞ。おれは女装子だ。男が好きな男も女も、女が好きな男も女も、そのすべてが性欲を抱く存在だ。性欲がある限り、誰もがおれとのセックスを望む。たとえ、奴隷を持った皇帝でもな……」
そして、堅信が沙羅衣のパンツを脱がせた。
「ははっ。ほら、もうこんなになってる。だが、まだ半分といったところか」
「あ、当たり前だ。こんな、無理矢理に好きでもない相手となんて、いくら若い男だからってやすやすとその気になんてなるか!」
「さあ。なるんじゃないのか、貴様であれば」
「なに?」
いぶかしむ沙羅衣をよそに、堅信は沙羅衣の腰の下に枕を押し込み、少し浮かせた。
「あっ!?」
「枢流に抱かれたんだろ? おれはまだだけどな、羨ましいよ。だが、あいつに抱かれているんなら……」
「や、やめろ!」
「完全に勃起するためのスイッチは……こっちなんじゃないか?」
沙羅衣が腰をくねらせて抵抗する前に、堅信の人差し指と中指が、一気に沙羅衣の後ろの穴に突きこまれてきた。
「ああああああっ!?」
「このあたり、前側に……あ、あった。ほら、ここだろ?」
ぐりッ!
カギ型に曲げられた見本の指が、沙羅衣の内側の急所をえぐった。
「あはあッ……」
喉をそらせ、背中をそらせて、同時にペニスも、腹につかんばかりに反り返って硬度を増す。
「ははは、ほら、ここだった。完全に勃起したなあ。枢流との時、いつもこうなのか? どっちが皇帝で奴隷だか、判らねえな……」
なにか言い返そう、と沙羅衣が体を起こしたとき。
「んむ……」
温かな感触に、沙羅衣のペニスは包まれてしまった。
人生で二度目の、一番の弱点をぬめらかな感触に飲み込まれてしまう感覚。
「ん、ぐぷっ……立派な、もんだな……根元まで全部は、入らんッ……」
ず、ぷぷぷ……
「あはあああああっ……」
耐える間もなく声が漏れてしまった。
いけない、枢流以外の人間にこんなことをされて、興奮するわけにはいかない。
人間は気持ちの生き物だ。気持ちのない相手の性など、感じずに突っぱねてしまえばいいのだ。
だが、そんな思考も罪悪感も、簡単にもやがかかって鈍っていく。
「こ、これは……あの薬、動けなくなる以外にもなにか……」
「そうだ。性感の増強剤が入ってるのさ。むき出しの亀頭じゃ、息を吹きかけられただけでイキかねないくらいのやつが。貴様は、よく頑張ったほうだ」
そして、信じられないくらいの快感を生み出す唇の動きが、再開した。
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