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第41話 一突きにして、すべて重なり合って
「ご、ごふっ! げはッ!」
もろに喉を強襲された沙羅衣は、跳ね飛ばされるように後ろへ飛びすさった。
そのまま、体を丸めてえづいてしまう。
「すみません、先輩……」
「ああ、いや、大丈……」
答えかけた沙羅衣だったが、枢流の謝罪は、喉への射精のためではなかった。
枢流は沙羅衣の手を引いてベッドルームに入ると、ベッドに沙羅衣を四つん這いにさせた。
「すみません、先輩! ぼく……Sみたいですッ。今の、苦しそうな先輩を見てたら……もう……」
そのペニスは、早くも、射精前よりも激しく勃起していた。
ドレスの裾をまくり上げると、枢流は、かつて皇帝だったフィアンセの後ろを、一突きにした。
「う、うわああああああっ!? く、枢流うううっ!!」
「先輩、先輩、先輩いいいっ!」
暴走機関車のような勢いで、ピストンが始まった。
そのむさぼるほうなセックスの勢いに、先ほどのおしゃぶりで多少主導権を握ったかと思った沙羅衣の理性が、頭の外へと追い出されていく。
枢流の左手が、沙羅衣の左の乳首に後ろから回され、きつくつまみあげた。
右手は沙羅衣のペニスに伸び、これも強く握りしめてしごきだす。
通常ならば痛みを覚えるような強すぎる刺激だったが、すでに前触れでどろどろに濡れていた沙羅衣のペニスには、ちょうど良すぎる強さだった。
「ぐああああッ! 枢流、枢流ッ!! い、いく! こんなの、すぐにいくうううっ!」
「だめです先輩、終わらないで! いかないでください、お願い! 一緒に、一緒に行きたいッ!」
「だ、だめだよ枢流! そんなにしたら、おれだけ、おれだけ……! 枢流が、枢流が手加減してくれないと!」
「無理です、そんなの無理……先輩とで、そんなの……ああああ!」
枢流の腰の動きは、激しさを増す一方だった。
懇願の言葉すら出せなくなり、半分思考能力をなくした状態で、沙羅衣はうつぶせに倒れた。
これで、少なくとも、乳首とペニスへの愛撫は中断させられるはずだった。
しかし。
「ああああああッ!?」
「先輩、そうして横たわるとね……一番奥まで、突けるんですよ……!」
ぐり……っ!
「あ、ああ! 当たってる、当たって……枢流うううう!」
枢流の腰が、バックから、深く深く突きこまれた。
完全に露見してしまっている、体内の快感のスイッチに、野太いペニスが完璧にとらえて食らいついてくる。
そこを押し込まれているだけで、信じられないくらいの快感が叩き込まれ、思わず沙羅衣は腰を上げた。
だが、それすらも自殺行為だった。
さらに吐き出された前触れの液体を絡めた指が、猛烈なシェイクを開始する。
後ろから胸に回された手でだけ絞められ、後ろを向いたところでキスをされ、ひとたまりもなく、沙羅衣は射精した。
びゅるるるッ……びゅうッ……
精液が、ベッドを飛び越えて壁に当たる。
だが、そのすさまじい射精の後でも、枢流が止まらない。
「ううううう、あああああッ……枢流、枢流、すまないッ! お、おれはもう……!」
「いいんですよ……まだですから……」
「ま、まだ? なにが……」
「先輩がイキっぱなしになれば、ぼくがいけば、一緒に行ったことになりますよね……さあ、いきますよ……!」
「ああああ、だ、だめえ! いってる、もういってる! おかしく、おかしくなるううう! 後ろも、後ろもそんなに当てたら……ペニスも、イってるのに、イッてるのにそんなにしごいたら、おれは、おれはああああああ!」
「おかしくなってください! ぼくと一緒に、おかしくなって! ああ、いくううううッ!」
びゅしゃッ!
枢流のペニスが、ついに沙羅衣の中で射精した。
それは、目に見えなくとも、先ほどよりもさらに勢いを増した射精だったことは、体内で受け止めた沙羅衣には分かった。
数秒か、十数秒、沙羅衣の体は、ベッドの上で反り返ったまま完全に硬直していた。
それがやがて、
どさ……
とシーツに倒れこむ。
その上から、ゆっくりと、枢流もくず折れてきた。
二人の体が重なる前に、沙羅衣が体を半回転させて上を向く。
そして、枢流の体を正面から抱き留めた。
「先輩……」
「うん?」
「最後に……本当のセックス、してもいいですか」
「ああ」
二人のペニスは、まだかろうじて勃起していた。
その裏筋同士を、枢流がこすり合わせる。
やがて、二人のペニスが完全に力を取り戻した。
最も快感と硬度を込められた先端の裏側が、段差の部分のくびれが、まるでそこだけが生きて求めあう恋人同士のように、絡み合い、快感を与えあい、そして高まってく。
「あ、あ、あ、あ……先輩……」
「枢流……いくよ……」
「はい……」
唇が重なる。
舌が優しく絡み合う。
そして。
どくんッ……
二人は同時に射精した。
お互いの腹で、その液体の大量さと、温かさを感じ取る。
それから、ぐったりと重なり合った。
夜が更けていく。
二人きりの夜の中で、彼らはいつまでも、重なり合い、抱き締め合っていた。
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