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第4話
そして、待ちに待った3ヶ月後…
「夏芽行くぞ…」
「ああ。」
俺はとうとう学校に行けることになった!
長かった…
「辰巳、学校に行く上でのルールおぼえてる?一は」
「一は、異性に触れられないようにする。二は、誰とも2人きりにはならないこと。三は、破ったらお仕置だろ?」
「おっ、覚えてるの?!」
「あんだけ言われればな」
朝はずっとその話で持ち切りだったから…
「じゃ、行くよ」
そして、俺たちが先ず向かったのは、職員室
当たり前のように靴を脱ぎ、すれ違う生徒たちに礼をした。
「きゃ、あの2人めっちゃイケメンじゃない!?転校生かな!?こえかけてみる?」
「え?無理だよー。」
そんな声も聞こえてきた。
「辰巳…何してるの?茶化さない。」
「茶化してねぇよ。」
向こうが勝手に来るだけだ。俺の美貌に惚れてな。
そして…
「失礼します。」
俺たちはそう言って、百々海高校(とどみ)3-3の教室に入った。
「はい。どうぞ。」
そこに居たのは、眼鏡をかけている少し太った、担任らしき人と、生徒たち。
「えーと、今日はどこだっけ?」
「静岡です。」
「はい。静岡から来てくれました、犬童辰巳くんと、成宮夏芽くんです!みんな挨拶して」
「よろしくねー!」
生徒たちの元気いっぱいの声がしたが、その一方で後ろで下を向いたまま携帯をいじっている生徒もいた。
この学校に俺は慣れていけるだろうか…
「じゃ、2人は、山之内の後ろの席座って。」
「俺だよー!」
山之内は、元気よくそう言った。
「よろしく。」
「うん。よろしく。学校探検とか後で連れて行ってあげるよ!」
どうやら、彼はいい人みたいだ。
「ありがとう。」
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴り響く中、1人の男が俺に話しかけてきた。
「辰巳くん!!探検いく?」
そう。山之内 冬弥くんだ。(やまのうち とうや)
「冬弥くん…うん!行く!」
「やだなぁ。冬弥でいいよ。てか、そう呼んで!」
「わかった。なら、俺も辰巳でいい。」
「おっけ!辰巳なら、改めてよろしく!」
「うん!よろしく!」
友達ができた。
「あの、夏芽くんは行く?」
冬弥が、俺の横に座っている夏芽に話しかけた
「行く。」
夏芽は、不機嫌そうに横を向いてそう答え、俺の後ろに立った。
そして一言こういった。
「妬ける。」
えええ…妬けるって…可愛いかよ!
「辰巳顔赤いよ!大丈夫?」
冬弥が心配そうな顔をしてそう言った。
「ああ。ちょっと暑かっただけだ。」
「なら、いいけど。」
その後は、図書室、美術室、補習教室など色んな教室を探検した。こういうのって新鮮で楽しいんだよな。
「ありがとう。冬弥…君は優しいんだね。」
「え?そんなことないよ。でも、そう言ってくれると嬉しいよ。」
「俺、友達とか今まで出来たことなくて、新鮮だった。本当に楽しかったよ。」
「あのさー、辰巳と夏芽さえ良ければ、これからも仲良くしてくれないかな?俺、2人と仲良くしたくなっちゃったんだ。」
えっと、これからも俺らといたいって言うことだよな?
「もちろん!」
「うん。」
やはり、夏芽は、不満気な顔をしていた…
「やった!嬉しい!!」
まぁ、冬弥は、築いて無さそうだし、いいか。
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