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明るい親友

 家に帰り着いてから、直ぐに朝食を作り流し込むように急いで食べ終えると、俺は早々に学校へ向かう。  睦月はオンラインで個別授業を受けているらしく、家から出ることなんて殆どない。  買い物も大体は俺が学校帰りにしてくるので、出るとなってもこちらから誘った時くらいしか長く外出することもなかった。  かと言って別に外に出たくないとかではないらしく、自販機にジュースを買いに行ったり散歩に行くくらいはしているらしい。 「ユキ! おはよう!」  玄関のシューズロッカーの前で上履きに履き替えている時に、後ろからバシンッ!と思いっきり背中を叩かれ、俺はむせながら叩いたやつを睨みつけた。 「けほっ……、何すんだよ、雅……」  七森(ななもり)(みやび)。  一応、俺の友人で同じクラスのクラスメイトだったりする。  陽光を浴びると黄色にも近い色に見える橙色の髪に、新緑を思わせる透き通った翠の瞳が印象的なやつだ。  明るく気さくでムードメーカー気質の雅はスキンシップも激しくたまにうざく感じることが多々あるが、これでも学校内では一番気の許せる相手でもあった。 「なーんか影背負(しょ)ってるから元気づけようと思ったら、勢い余って強く叩いちまったんだよ、悪いなー!」 「お前、悪いなんて一ミリも思ってねーだろ」 「あっはは!」  否定しないということは思っていないのだろうな。  こういうところが、こいつの短所でもあるし長所でもあったりするので厄介だ。 「つか、今日もお前一人?」 「あー、睦月は……もう来ないと思う。先生から提案されてオンラインの方で授業受けてるみたいだから」 「ほーん? なら、俺から会いに行くしかねーのか」  一応、雅も睦月とは知り合いだ。  幼馴染というわけではなく、高校に入ってから仲良くなった俺の隣にいる幼馴染という程度の認識だとは思うが、電子パッドでの会話もたまにしてることもあったのでそこまで仲が悪いわけではないだろう。

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