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二人でお出掛け 2

 ストリート沿いにある雑貨店に着くと、人だかりが出来ていた。  その殆どが女性客ばかりで、俺と睦月は少し離れたところから店を遠巻きに見つめる。 「流石に、あそこに入るのは無理だろ……」  こちらは男二人ということもあって、安易に女子が群がる中に入り込めるような勇気は持っていない。  第一、睦月があんな中に入っていったらとんでもないことになるだろう。  俺の言葉にしゅんと俯いて落ち込む睦月を横目で見てから頭を掻いた。 「……えっと、予定変更して先に書店に行こうか」 『うん』  筆談で答える睦月に笑いかけてから書店へ足を踏み出した。  十分ほど歩いた先にある大型書店まで着くと扉を開けて中に入る。  人はそこまで多くはなく、ほっと胸を撫でおろして入り口で突っ立っている睦月に手招きした。 「人、少ないし入ろう」  それから三十分ほどいろいろな本を見て回り、あれが面白そう、これが良さそうと二人であれこれ言い合いながら時間がゆっくり流れていった。  三冊ほど気になるものを買ってから店を出ると腕時計を確認する。  午前十一時と、昼にしては少し早いような時間だった。 「どうしようか? 早めに昼飯にするか?」  後ろにいる睦月の方へ振り返ってそう聞くと、睦月は少し考え込んでからふるふると首を横に振って電子パッドに文字を書いてからこちらに向けてきた。 『裏手にある公園でゆっくりしよう』  書店の裏側を少し行った先には確かに小さい公園がある。  休みの日に子供が遊びに来るくらいで、遊具も滑り台とブランコ、砂場のみしかない。  静かなところなので休憩にする分には一番いい場所だろう。 「ちょっと疲れたか?」  人が少なかったとはいえ、そもそも人と触れ合えない睦月には外の世界はどこもストレスしか感じないはずだ。  それでも、出掛けたいと言ってくれたことは嬉しくもあったし申し訳なくもあった。

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