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後悔
それから暫く雨が降り続いて、次第に雨脚が落ち着いたのを見計らって俺と睦月は家路を急いだ。
家に帰り着くと玄関の廊下が濡れるのも構わずに、風呂場へ直行し浴槽を洗ってお湯を張る。
そのまま玄関に立ち尽くす睦月の元へ戻った。
「服とタオルは俺が用意しとくから先に風呂入ってこい。そのままじゃマジで風邪引くから」
俺の言葉に睦月は小さく頷いて靴を脱いでから式台に上がる。
濡れているせいで一瞬躊躇したみたいだが、申し訳なさそうな顔をしながら風呂場に向かった。
「ふぅ……」
その後ろ姿を見送って小さく息を吐き出すとその場にしゃがみ込んだ。
(せっかく久しぶりに出掛けたのに、最後の最後で最悪だ……)
朝は雲一つなく晴れていたので気に止めなかったが、ちゃんと天気予報くらいは確認しておくべきだった。
というよりは折りたたみ傘くらい入れておけばよかったのかもしれない。
(今度からは気をつけよう……)
気を取り直すと、立ち上がって靴下を脱ぐ。
それを洗濯カゴに放り込みバスタオル二枚と二人分の着替えを取りに向かった。
睦月が上がってくるまで時間がかかるので、バスタオルで頭と体を拭きながらもう一度小さくため息をつく。
「……っくしゅ」
家の中に入ったとはいえ、体温を奪われすぎたのか思わずくしゃみが出てしまってタオルで体を包み込む。
「……さぶ」
冬時はなるべく電気代を抑えるためにエアコンをつけないのだが、流石に風邪を引くと困るので、テーブルに置いてあったリモコンを手に取り暖房をかけた。
「……最悪だ」
(俺も睦月が上がってきたあと、しっかり風呂で体温めないとな……)
それから睦月が風呂から出てくるまで、タオルにくるまりながら何とか寒さをやり過ごすのだった。
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