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流れる時間

 それから、熱さまシートをおでこに貼って俺は少しだけ眠りに落ちた。  目が覚めると時刻は昼の午後二時前。  寝ている間に睦月が鮭のお粥を作ってくれていたので、遅い昼食だったが半分だけ頂いた。  味はとても美味しくて、米の柔らかさも程よく朝と違ってお椀に入れてもらった分をしっかりと全部食べ切る。  わざわざ作り方をスマホで調べたらしく、『わかりやすかった』とレシピを俺に見せながら大絶賛している睦月がただただ可愛くて、頷きながらずっとその笑顔を見つめていた。  食べ終わった後にパジャマを脱いで、睦月が用意してくれた温かい濡れタオルで自分の体を拭いていく。  睦月はというと拭いてあげられないことが相当ショックだったのか始終しゅんと項垂れていてた。  頭を何度も下げてきて、逆にこちらが申し訳なくなくなってしまった。  俺としては傍にいてくれるだけで嬉しいので、むしろ感謝の気持ちの方がいっぱいなのだが、ここは気持ちの問題なのかもしれない。  その後は睦月が買ってきてくれた風邪薬を飲んでもう一度眠りにつく。  特に夢を見ることもなくぐっすり眠れたのが幸いしたのか、夕方の六時に目覚めた時には熱もだいぶ引いて体も楽になっていた。 「……37.5℃。うん、今日ゆっくりすれば、明日には良くなるな」 『良かった。夜もご飯、作るね』 「手間かけて、ごめん。今日だけよろしくな」  コクリと頷く睦月を尻目に窓の外へ目を向けた。  冬だけあって、夕方でも外は真っ暗で、北風が吹いているのか窓が少しだけカタカタと音を立てる。 「……睦月は、明日また家でオンライン授業なのか?」 「…………」  俺はずっと気になっていたことをさり気なく聞いてみた。  別にそれ自体はいいのだが、また睦月と一緒に学校に行けたらいいのにという気持ちはやっぱり少しばかりあって。

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