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うるさい親友

 のんびりとした静かな昼食を終えて教室に戻ると雅が俺に突進してきた。 「うおぅっ!?」 「なぁんで二人だけで食べちゃうんだよぉぉ! 俺たち友達じゃなかったのかよぉぉぉっ!」  そう言って頬ずりをしてくる雅に顔をしかめて引き離そうとするが、がっちり首をホールドされていて無理やり離そうとすれば首がもげそうだった。  馬鹿力かよ……。 「耳元でうるせぇ……。いいから離れろ」 「折角、睦月が久方ぶりに来たのにお前たち二人の親友を置いてくとは何事だぁ!!」  ただでさえ暑苦しいヤツが更に暑苦しくなって流石にうざい。  というよりも、一番の問題はクラス内でも目立つ雅が騒ぐせいで無駄に注目を集めていることだった。  俺だけならまだ良いのだが、睦月にまでその視聴率が向いてしまっている。 (出来ればいつもみたいに気を使ってくれないものか……)  雅は周りをよく見ているタイプではあるのだが、暴走すると全くと言っていいほど気遣いがなく、むしろうざ絡みしてくるやつだ。 「……雅、とりあえず離れてくれないか?睦月もいるしあんま騒ぐな」 「ちぇ……、睦月睦月ってお前らは恋人かよ〜」 「はぁぁっ?!」  冗談で言ったのだろうが、雅の言葉に俺はつい素っ頓狂な声を上げてしまう。  そんな俺の態度に何を感じたのか雅がニヤリと口角を上げて目を細めた。 「ほうほうほうほう〜? ほ〜ん」  意味深に目を細めて怪しい笑みを浮かべながら俺から離れるとポンポンと肩を叩かれる。 「まぁ、頑張れよ」  絶対、何か勘違いしてやがる。 「おい、幾ら何でも恋人なわけ無いだろ。そういう揶揄い方はやめろ」

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