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余計なお節介
その後も、やはり睦月とは気まずい雰囲気が続いた。
息の詰まるような一日を過ごした放課後。
ようやく面倒くさい授業から解放されてクラスメイトが思い思いに散らばる中。
「…………」
俺は何故か睦月の席の前に、立たされていた。
目の前には帰り支度をしようとして、状況がわからず右手に教科書を持ったまま固まる睦月の姿。
後ろには逃さないとばかりに雅が人王立ちしている。
その間に挟まれる俺の背中には嫌な汗が伝い落ちて、その感触に更に顔を引つらせた。
「ほら、ユキー! ちゃんと言わないと睦月が困ってるだろー?」
いや、むしろ俺が困ってるんだが……。
恨みがましく雅を睨みつけるが全く効果はなく、親指を立てると白い歯をのぞかせて笑い返してくる。
勇気づけているつもりなのだろうが、今の俺には殴りたくなる笑顔だった。
何故こんなことになっているのかというと、放課後になった途端に雅が俺の席へ来て、無理やり腕を引っ張ると自分で誘えと睦月の席の前まで強制的に連行させられたからだ。
確かに俺から誘うのが普通なのかもしれないが、今の状況的にどう考えても断られることが分かっていたから雅にお願いしたのだが。
それなのに、こいつと来たら……。
「やってみなくちゃわからないだろー! 良いから当たって砕けろだぞ! 本当に砕けたら俺が拾ってやるからさ!」
などと、まるで嬉しくない言葉を投げつけてきたのである。
……いや、砕けたら不味いだろ。
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