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ハイテンションの雅

 慌てて雅を引き剥がして、今日、貰ったプリントなどを鞄に突っ込むとマフラーを首に巻く。  隣でギャーギャー何か言っていたが無視だ。  むしろ俺は、睦月に勘違いされたんじゃないかと若干、背中に冷や汗が流ているくらいなのだから。 「待たせて悪い。行こうか。雅も行くぞ」 「なんだよー。俺に対して冷たくねー?」  仕方ないだろ……。  睦月に他のやつと仲良くしてるの見られるの、嫌だし……。  そんな心の声を胸に押し込めて、雅にごめんと顔の前で手を合わせた。 「いいけどよー……」  少しだけ不満げに頬を膨らませた雅だったが、直ぐにいつもの明るさを取り戻すと 「んじゃ、モール出発ー!!」  と叫びながら俺の手を取って走り出した。 「お、おいっ! 睦月がついてこれねーだろ!」 「睦月ー! 行くぞー!!」  手を引っ張ってやれない睦月の方を振り返る。 「ユキ……っ、待って……っ」  驚いた顔で慌てて追いかけてくる睦月に、心の中で謝りながら雅の方へ顔を向けた。 (こいつ、今日テンション高くねーか? つか、いつもよりスキンシップが過激なんだけどっ)  終業式で早く帰れるから嬉しいのか、クリスマスパーティーがあるから楽しみで浮かれているのか。  原因が全くわからない雅のテンションの高さに俺は戸惑いながら、手を引かれるままにその後ろを走った。

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