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プレゼント交換 2

「こっちはユキの。お前、キーケース壊れたって言ってたから」  雅が俺に小さめの箱を差し出した。 「あれ、雅にその話ししたっけ?」 「したした。……あ、いや、多分した、かな……?」  どこか居心地悪そうに視線を逸してから、ガリガリと頭を掻く雅。  キーケースが壊れた云々の話は前に三人で出かけたとき、雅がプールで遊んでいる最中に睦月には話したような気はするが、雅にも聞こえていたのだろうか。 「とりあえず、ありがとう。そろそろ買わないとなと思いつつ財布に入れとけばいいかってなって買い損ねてたんだ」 「そっか。良かった。もう買ってたら無駄足だなぁって心配してたからさ」 「あの」  そんな風に雅と会話が弾んでいる時に、睦月が小さな声でこちらに話しかけてきた。 「どうした?」 「あの、これ、ありがと。このぬいぐるみ、とってもかわいい……」 「そっか、良かった。睦月はぬいぐるみが好きってユキに聞いたから、これしかないって思って選んだんだ」  胸の前にうさぎのぬいぐるみを抱えて嬉しそうに微笑む睦月と明るく笑いかける雅。  そんな二人を見つめながら心の奥にチクリと鈍い痛みが走った。  それに一瞬、眉をしかめそうになりながら、バレないように二人から視線を外して木目の床を見つめる。 (……なんで嫉妬してんだよ。雅は親友だぞ? こんなこと前々からあったし、こんなモヤモヤする必要なんかないのに……)  胸に渦巻く嫌な気持ちを振り払うように軽くかぶりを振った。

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