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プレゼント交換 3

「あの、俺も、二人に」  睦月が俺と雅の前に二つの箱を置いた。 「ありがとう、睦月。でも、お金とか大丈夫だったか?」 「うん。買える範囲で、買ってきた」 「おお! これ、近場の文房具店で売ってる結構高めのボールペンじゃね?! え、いいのか、こんなのもらって」  俺と睦月が話す中、雅が真っ先に箱を開けて中身を取り出す。  確かによく見れば結構高めのボールペンだった。  持ちやすさと使いやすさがいいって雅が欲しがってた気がする。  雅は常日頃から大事なことはスマホにメモるより紙にメモる派なので、ボールペンというのは有り難いのかもしれない。 「名前も、入れてもらった」 「あ、ホントだっ! うわぁ! ありがとう、睦月!! 一生大事にする!」 「雅、大げさ」  雅の喜ぶ姿に嬉しそうに顔を綻ばせる睦月を見て、また、チクリと胸の奥に痛みが差す。  その痛みに気づかないフリをしながら、俺も睦月からもらった箱を開けた。 「あれ、これ……」 「あ……あのね。腕時計あると、便利って言ってたから……っ」  睦月と買い物に出かけたときに何気なく、腕時計あると便利だよなぁと口にしたことがあった。  スマホの時計でも別にいいのだが、さっと見れる腕時計だともっと便利なのに、と漏らしていたことを今更思い出す。  俺自身が基本的に自分のことは後回しで睦月に色々してやりたくなるせいで、なんでもかんでもまぁ、いいかと忘れがちになるのだ。 「……っ、……ありがとう、睦月」  そんな俺の何気ない言葉を覚えていてくれたことが、どうしようもなく嬉しくて。  溢れそうになる想いが零れないように唇を噛みしめたあと、小さな声でお礼の言葉を呟いた。 「メリー、クリスマス、ユキ、雅」  睦月の言葉に俺と雅は顔を見合わせて小さく笑みを交わした。 「二人とも、メリークリスマス!」 「うん、メリークリスマス。ていっても、本番は明日なんだけどな」 「いーんだよ! 今日で!!」 「あはは」  そんなことで三人で笑い合いながら、改めてクリスマスパーティの続きを再開するのだった。

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