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二人の出会い
外に出るとモールの時よりも空気が冷たくなっていて、ぶるっと身震いする。
「やっぱ寒いなぁ。ユキは大丈夫か?」
雅は白い息を空に吐き出して、俺の方を振り返った。
「あ、まぁ……。んで、話ってなんだよ?」
慌てて出てきたせいでマフラーを置いてきてしまって、首元を冷たい風が撫でることで声が少し震える。
でも、この震えは、本当に寒さのせいなのだろうか。
そう思うくらいに心臓が忙しなく騒いでいた。
「んー……駅近くの公園行って話そうぜ。そんな長い話にならないからさ」
ポンポンと俺の背中を叩いて再び歩き出す雅の後を、ただ追いかけることしかできなかった。
声をかけようにもどう話しかけたらいいのかもわからず、ひたすら無言で後ろをついていく。
空を見上げると雪はもう止んでいて、キラキラと星の海が淡く空を彩っていた。
公園は夜ということもあり閑散としている。
その中へ雅は迷いなく入っていき、ブランコまで近づいてようやくその足を止めた。
しかしそのままブランコを囲う安全柵の内側に入っていってしまい、四つぶら下がっている右から三番目のブランコに腰を下ろした。
俺は相変わらず安全柵の外側に立ち尽くしていて、そんな俺に手招きしながら雅が隣を指差す。
仕方なく、雅の隣のブランコに腰を下ろすとそのまま地面に視線を落とした。
「ユキはさ、俺と出会ったときのこと、覚えてるか?」
「は? 雅と?」
「そうそう。俺とユキって最初あんま空気感とか合わなくてさぁ、喋ったことすらなかったんだよなぁ」
雅にそう言われて、俺は記憶の中から雅との出会いを探した。
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