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二人の出会い 2
確かに雅とはクラスが一緒というだけで、別に仲良くするような間柄ではなかった。
むしろその逆で、雅はクラスの中心で明るく光る太陽で、俺と睦月は隅で小さく輝く星のような存在だったから、関わり合いにすらなりたくなかったくらいだ。
遠目から元気なやつだなと冷ややかな目で見ているだけで、廊下ですれ違っても挨拶なんてすることもない。
そんな俺と睦月と雅がなんで今のようになったのか、なんて、そんなに大きな出来事じゃなかった気がする。
「んでも、たまたま放課後、教室にスマホ忘れて取りに戻ったらまだ残ってたユキと睦月がいて、いっつも影で生きてるけどどんなやつなんだろって話しかけたら、意外にしっかりモノ言うやつだってわかって、しつこく付きまとうようになったのが最初だっけか」
「そうだったな。なんで俺や睦月に関わってくるんだって言っても、話してみたら面白かったからとか言われて。他愛のない話しかしなかった気がするんだけどな」
会話の内容なんて、こんな時間に何してるのかとか、家で何してるのかとか、これからどっか一緒にいかないかとかそんな話だった気がする。
それに答える気がないって言いまくってたらなんでか気に入られた、という。
よくわからない出会いだった。
「お前、なんで俺や睦月にそんなに興味持ったんだよ?」
「ユキの物言いが、ホント正直で裏表なくて、接しやすかったんだよ。それに……ユキは覚えてないだろうけど、入学式に俺の鍵、拾ってくれたのもあるかもな」
「あ? 鍵?」
そんなことがあったかと思い返してみると、確かにあったようななかったような……?
「俺の家の鍵。んで、気にはなってたけど、生きる世界違うなぁと思って関わることもなかったっていうか」
「そう、なのか……」
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