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きっと、来年も

 優しい光の中に、ふわふわと舞い落ちる雪が淡く黄色に染まって色を変える。  ふいに、俺を見つめる睦月の瞳が揺らいだ。 「む、睦月…っ?」  その瞳から零れる雫に、俺は慌てて辺りを見渡す。  ぐしぐしと服の袖でこぼれた涙を拭う睦月にどうしたらいいか分からず、視線を彷徨わせた。 「……ユキ、あのね」 「……どした?」 「……ありがとう。今日、すごく、楽しかった。ユキとここに来られて、本当に良かった……」  途切れ途切れに紡がれる言葉が雪に馴染むように舞い落ちて俺の心に染みる。 「そんなの……俺の方が楽しかったよ。ありがとう、睦月」 「うん……。俺も、ありがと。いま凄く、幸せ」 「……そうだな」  照れくさそうに俯く睦月の顔を見ながら、一瞬、告白してしまおうかという邪念が浮かんで慌ててその感情を振り払った。  いいんだ。  今は、これでいい。  焦らなくてもいい。  ゆっくり、睦月との時間を重ねていけばいいのだから。  はやる気持ちを抑え込むように俺はもう一度モール前のツリーに目を向ける。 「……ユキ、来年も、一緒に来ようね」 「うん、来年も二人で見に来よう」  来年。  俺と睦月の関係はどんな風に変化しているだろうか。  未来の約束に俺はただ、小さく頷く。  先のことはわからない。  けれど、出来たら来年も、睦月とこうしてこの景色を見られるといいなと思う。  ささやかだけれど、ずっと続いてほしい二人の時間。  どうかこの先もずっと、一緒にいられますように。  そんな願いを空に、俺達は暫く二人で煌めく景色を眺め続けた。

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