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君の告白 2

 通話越しに聞こえた言葉に、呼吸が止まる。  それなのに、心臓は痛いくらいに暴れまわっていて。 『ユキが、好き……。だめなのに……こんな俺じゃ、ユキを……幸せに、出来ないのに……』  睦月はボロボロと堰を切ったように零れ落ちる涙を服の袖で何度も何度も拭う。  スマホを握る手が震えていて、それを目にした瞬間、胸の奥がざわついた。  きっと、俺と睦月はお互いに思い合うべきではないのだろう。  触れることすら出来ない上に、同性という問題もある。  その先に幸せがあるかなんてわからない。  もしかしたら二人とも、苦しむだけかもしれない。  それでも。  それでも、俺は……。 「触れられなくても、同性でも……俺は、睦月がいい……」 『……ユキ』 「俺だって、ずっと昔から睦月のこと好きだったから……。だめだってわかってても……嫌いになれなかった……」  あのとき睦月を救えなかった俺が、隣にいることすらおこがましくて。  それでも、その罪悪感を見ないフリをしながらずっと睦月のそばで生きてきた。 「……嫌いになれなくて、苦しくて……。睦月の未来に必要なのは同性の俺じゃなくて、ちゃんとした人なんじゃないかって……ずっと、そう思ってた。でも……やっぱり……睦月のこと好き、だから……っ」  止めどなく溢れる涙で視界が歪む。  顔を上げていられなくなり、手の甲で口元を隠してそっとうつむいた。 「……ぅ、……っ」  ちゃんと、言わないと。  そうわかっていても、声は涙になって喉につかえてしまって、形にはならなかった。  睦月の言葉が、何度も何度も胸に木霊する。  息苦しくなるほどドクドクと喚く心臓を必死に抑えようと、ぎゅっと胸元を握りしめた。  そんな俺の耳に迷うような弱々しい声が聞こえた。

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