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雅へのけじめ
だけど、睦月から発せられた言葉は予想外の返答だった。
「初詣……雅も誘って、三人で、行きたいな……」
「…………」
雅。
その名前にドキリと心臓が跳ねる。
その後に込み上げる罪悪感に、一瞬、胸が苦しくなって睦月から顔をそらした。
「……なんで、雅? ……睦月は俺と二人じゃ、嫌か?」
「もちろん二人がいい。でも雅には、ちゃんと伝えないと、いけないことだと、思うから……」
むしろ、ただ傷つけてしまうだけなのではないか……?
仮にも好きな人が他のやつと付き合ってると聞いて、いい気分になるやつなんていないだろうし。
「それに、このまま会わないままだと、どんどんギクシャクする。勝手だってわかってるけど、隠しておくことも、できないと、思う……」
「…………」
どちらが正しい選択なのかなんてわからない。
だけど、わからないなら、どちらかを選ぶしかない。
それに、どうせいずれは付き合っていることを雅に伝えないといけないとも思う。
それで雅が友達でいたくないと言い出しても、隠したまま申し訳ない気持ちを抱えて一緒にいるのは間違っているから。
「わかった。じゃあ、その誘いは俺から入れとくよ」
「うん、お願いします」
睦月は深々と頭を下げた。
雅は、俺と睦月の関係を知っても、それでも、友達でいてくれるだろうか。
本音を言えば、出来たら雅と一緒にいたい。
これからも変わらず、笑い合える親友でいたい。
俺のわがままだけれど……雅のことは、やっぱり友達として大切に思っているから。
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