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変わらない友人

 家に帰って朝食を食べたあと、二人で雅と待ち合わせした駅前へ向かう。  どう考えても神社は人が多いので睦月には苦行の一環になりそうだが、そこは毎度のことなので対策は考えてある。 「ユキー! 睦月ー! こっちこっち!」  駅前で、こちらに元気に手を振りながら大声で名前を呼ぶ雅に「相変わらず元気だな」と苦笑がこぼれた。 「雅、いつも元気だよね」  俺の漏らした言葉に睦月が雅に手を振り返しながら呟いた。 「きっちり九時だな。睦月、あけおめ〜! ユキも改めてあけおめ!」 「うん、明けましておめでとう、雅」 「あけおめ」  少しカタコトになりながら返事を返す睦月に雅が歯を見せて笑った。 「んで、モールの先にある神社に向かうんだっけか?」 「あぁ、なんか悪いな」 「んなのいーって!」  雅が言うように、よく行くショッピングモールの先に小さな神社がある。  一応大きい神社もあるのだがそこは人が多いので、いつもその小さな神社で俺と睦月は初詣を済ませていた。  小さい神社もそれなりに人がまばらにはいるが、一番混み合うことなく普通にお参りできるので人波に揉まれずに初詣を楽しむことが出来るのだ。  まぁ、なんというか、一緒に行ければどこでもいいのだけど、大きい神社になると屋台が出ているのでその辺りまで楽しみたいなら、断然あちらが良かったりする。 「屋台とか別に行かなくても、どっか食べに行けばいいしな」 「そうだな。終わったら三人でなんか食いに行くか。雅に今までのお礼もしたいし」 「そんな大したことした覚えはねーけど、ユキがお礼したいって言ってくれるなら有り難く受け取っとく!」 「はいはい。ありがとうございますー」  棒読みでそう言う俺に「お前が言い出したんだろー!」と楽しそうにツッコミを入れてくる。  雅のこういう明るい気遣いがいつもありがたい。  本当だったら、大きい神社に行った方が楽しめるだろうに、それでもこうして俺と睦月に付き合ってくれる。  こういうやつだから、人を引き寄せるんだろうな、と改めて実感した。

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