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神社で。 2
「……いい、けど……。えっと、一緒にって……二人で……?」
恐る恐る尋ねてみると、寒さでほんのり赤く なっていた睦月の頬が更に赤みを帯びて、戸惑うように視線を逸らした。
僅かな間のあと、コクリと小さく頷く。
「……ふたり、で……。その……わがまま、言って……ごめん……」
「……いいや、大丈夫。雅にも、言っておくな。拗ねちゃうかもしれないけど」
優しく微笑みかけてあげるとマフラーにうずめた顔が少しだけ上がって、琥珀色の瞳が嬉しそうに細められる。
睦月がこんな風にわがままを零してくれることは少ないので少し驚いたが、単純に嬉しい。
雅に二人で買いに行くと頼むのは気が引けるが、ここは頑張るしかないな。
「とりあえず、先に参拝済ませちゃおうか」
「うん」
改めて歩き出す俺のところまで小走りでやってきて、自然に隣に並んでくれる。
他の参拝客の邪魔にならないようになのか、いつもよりほんの少しだけ近い距離に、俺はふっと目を細めた。
大丈夫だろうかという心配はあったが、それと一緒に不覚にも嬉しいという感情がこみ上げてしまい、上がりかけた口角をきゅっと引き結んだ。
(……大丈夫。急がなくていい)
多少寂しい、という気持ちはあるけれど。
睦月が隣にいる幸せは当たり前ではないのだから。
それを、忘れてはいけない。
いつになるかなんて、わからない。
一生、触れられないかもしれない。
それでも、睦月と一緒に、生きていきたい。
それだけは本当の気持ちだから。
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