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雪への気持ち
「時間とかわかんねぇし、しばらく待ってみるか?」
といっても、本当は関わらない方がいい問題だとは思う。
だけど、どうしても気になってしまったのだ。
少し確認するだけだし、危ないと感じたら引けばいい。
「とりあえず、あの店で様子見てみよう」
駅前にあるカフェが目に入って、そちらへ足を踏み出す。
開き戸に手をかけて中に入ると、暖かい暖房の空気が冷えた体を包み込んだ。
話しかけてきた店員に一名と告げて、駅前が見える窓際の席に座る。
飲み物を注文してからふぅ…っと肩の力を抜いた。
暫くしてテーブルに注文したカフェオレが届いて来たので、一口だけ口に含んで、改めて店の中を見渡す。
「初めて入ったけど、ここのカフェオレ、結構美味しいな。またユキや睦月誘って来てみるか」
いや、どちらかというと二人で行かせた方が喜ぶかもしれないが。
そんな風に考える自分に苦笑が漏れる。
ユキが好き。
その気持ちは未だ、胸のうちに残っている。
顔を見るたびに、諦めようとしている心が揺さぶられる。
それでも、二人を応援したいと思っている気持ちも本当だ。
好きな人が……ユキが、幸せになってくれるなら、それでいいのかもしれない。
どうせ叶わない思いなのだから、せめて、そばにいたい。
こんなことを考える俺は、きっと、誰よりもずるい人間だ。
「ほんとなぁ……」
そう一言こぼして人でごった返す駅前を見つめた。
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