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第10話

結局、時生に進められるままに立候補し、他に候補者が立たなかったので信任投票になったが、圧倒的に信任され、生徒会長になった。 会長に立候補する条件として、時生にも副会長に立候補させ、時生も主に女子から熱烈に支持され無事当選した。 時生がデイパックを背負い、部屋の中を忘れ物の確認のため見渡すと、邦彦がソファーに座って時生を見つめていた。 「どうした?もう帰るぞ」 時生がそう言うと、邦彦が自分の側をポンポンと叩きながら言った。 「相談がある」 真剣な表情の邦彦にそう言われて、時生は邦彦の隣に腰を下ろした。 「相談って何?」 邦彦が時生に向き直った。 「俺は今まで誰とも付き合ったことがないから、経験というものが全くない」 「うん、うん、それで?」 「だから、お前に教えて欲しい」 「ふ〜ん…」 特になにもさ察してない様子の時生に、邦彦はほんの少し苛ついた。

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