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第23話
「く、邦彦⁉︎」
時生はビックリして思わず声を上げたが、邦彦が自分の股間を見ているのに気づいて、慌てて両手で押さえた。
「なっ、かっ、帰ったんじゃ…!」
「うん、そのつもりだったんだけど、最近お前の様子がおかしいから、心配で戻ってきた…」
そう言うと、邦彦はテーブルの上にあったティッシュボックスを手に取り、時生の隣りに座った。
自慰を目撃されて、時生はパニックになっていた。どう言っていいか分からずオロオロしていると、邦彦が時生の手を取りティッシュで拭き始めた。あっけにとられているうちに、邦彦の手は股間に伸び、ささっと拭きあげると下着に収め、ズボンを直した。
両膝を抱えて、顔をその膝にうつ伏せて恥じ入っている時生の頭を、邦彦が優しく撫でた。
「思い出したら勃っちゃうほど、俺のキスは良かったみたいだな」
時生が顔を上げて、邦彦をにらんだ。
「やめようといったのは、時生のほうだろ」
「そうだけど…」
「 何か言いたいことがあるんなら、言えば?」
邦彦が、少し声をとがらせた。
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