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第26話
久しぶりのキスは、何ヶ月の放っておかれたことと、さっきの自慰が不完全だったため、熾火のように時生の体の奥に燻っている生理的渇望を呼び起こした。
邦彦のキスに激しく応えているうちに時生のモノは硬く起き上がってきて、それに気づいた邦彦は時生の口を塞いだまま、ズボンの前を開くと時生のモノを握った。
久しぶりに感じる快感に時生の頭の中は真っ白になって、邦彦に強く握られて擦られてもされるがままになっていた。時生がさっき自分では出し切れなかったモノを、邦彦が絞るように出してくれて、時生はあまりの気持ちよさに、とうとう泣いてしまった。
邦彦は、気持ち良さげにぐずぐず泣いている時生を自分の胸に抱いて、満足そうに微笑んでいた。ティッシュを再び抜き取ると、片手で時生を抱きながら、もう片方の手で器用に時生の顔や股間を拭いてくれた。
時生が泣き止み、落ち着いてきたのを見計らって、邦彦が口を開いた。
「ごめん、お前があんまり経験ないの分かってたけど、まさか初めてだったとは」
「女子じゃねえんだから、初めてって事はどうでもいいんだよ。むしろ恥ずかしいからあんまり言うな」
「でも…」
「いや、問題なのはそこじゃねえよ」
グイッと邦彦の体を押して自分から離すと、口を尖らせて時生は言った。
「お前こそ、キスした事ないとか大嘘じゃないのか?」
ぷりぷりと文句を言う時生を、邦彦は愛しげに見つめた。
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