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第3話
『わぉ♪』
宏海が口笛を鳴らす。
『ホントに濃いね♪ すごーい!』
『……っ…////』
うわーん!
み、見られちゃった……!
宏海の様子が気になって 見てみると
どうやらドン引きはされてない…みたい
だけど…めっちゃ笑ってる…!
笑われてる…///
さ、最悪だ…
やっぱり言わなきゃよか…
『すごいな、かわいい…クマさんみたい』
『………へ?』
『……かわいい♪』
え?
クマさん?
かわいい?
『ひ……宏海…?』
『俺は 好きだけどなぁ』
『っ、す……』
すき?
すき?
すき?
このモジャモジャの腹毛を?
このモジャモジャの胸毛を?
……好き?
『…あ、ごめん。
俺が好きでも意味ないよね、あはは』
『……っ!』
にっこり笑う宏海。
なんか…
笑顔が眩しい……
なんか…なんでだろう…
胸が……ドキドキ……?
つーか、ぞわぞわ……?
『うはは♪ ホントすごいね~♪
乳首にも生えてるんだぁ♪』
『………?』
ぞわぞわの、正体は…
宏海が 胸毛を撫でながら、乳首の毛を摘まんで引っ張っていたからで、そのなんというか 絶妙なソフトタッチが…、
なんか…なんというか…
変な感じ……で…
『ひ、ひろ……///』
『いいな…カッコいいなぁ…』
さわさわ触りながら 宏海がぽつり呟く。
『っ、…カッコ……いい?』
「好き」の次は「カッコいい」?
宏海……
…お前ってヤツは……!
どこまで心が広いんだ……!
『俺、体毛 薄いからさ…
男らしくて豪太が羨ましいよ……』
『…………!』
うらやま…!?
そんな事まで言ってくれるなんて…
なんていいヤツなんだ!
体が熱くなる。
全身が熱くて むずむずして
ドキドキして…ドキドキが止まらない!
宏海……宏海…!
『ひろみぃぃぃーっ!』
感極まって、思わず抱きつきたくなって
手を伸ばす───が、 それより先になぜか 宏海は 俺から ぴょんっと飛び降りた。
『おわ…っ!ひ…ひろ…み?』
『ごめん、俺、急用できた。帰るね?』
『え………?』
宏海は それだけ言うと、カバンを掴み
さっさと部屋から出ていってしまった。
『………え?』
…なんで?
独り取り残されて呆然とする俺。
熱かった体が急速に冷えていく。
『ん?……あれ?』
冷えていく体とは逆に 一点に集中する熱さ…
下半身に違和感を感じて、そこを見れば
わずかに反応している自分自身。
『……っ、ウソ…ッ///!』
なんで…!?
なんで…!?
宏海に触られてたから…?
『あっ…!』
もしかして…!これに気づいたから
宏海は…宏海は帰ってしまったんじゃ…!
『ウソだろー!?……なんでだよ…!』
最悪……!
俺のチンコ、まさかの裏切り…!
俺……終わった……!
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