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第44話★
奨の身体には力が入らない。既に霊体である奨が死ぬことはないが、生命エネルギーが必要であった。
はやくご飯をあげなくては。
秀一は、すべての衣服を脱ぎ去ると生まれたままの姿になる。
小麦とは程遠い生白い肌、薄い体毛、くびれた腰、筋肉が少なくて丸み帯びた身体。
男らしさの欠片もない自身の肉体が秀一は嫌いだ。こんな見た目だからいじめられた、というのもある。
しかし、奨はいつも行為の時に秀一を可愛いと褒めてくれるのだ。
それは少しずつ秀一から羞恥やコンプレックスを取り除いている。
仰向けに寝そべる彼の腰辺りを跨いでしゃがみ、M字開脚の姿勢を取る。奨からは秀一の男性自身、垂れ下がる陰嚢まで丸見えだろう。
「ご飯、作るね……」
『ああ…頼む』
彼がオムライスを作ってくれたように、秀一は精液ご飯を作るのだ。
こんな大胆でいやらしいポーズをしている癖に、秀一の声は消え入りそうだ。
恥ずかしい、でも、彼に見られたい。
その視線に犯されながら絶頂を迎えたい。
全裸の秀一は自身の性器に触れる。
「ん……」
自慰を始めた。
久しぶりに自分の手で性器をしごくのにドキドキが止まらない。
奨がしてくれる口淫とは違う興奮が襲ってくる。
「はあ……」
まず、胸元を弄ることから始める。秀一の胸の突起は可愛らしいピンク色で乳輪は小さめ。
人差し指と親指でつまんでキュッと引っ張る。
「あ、んんッ」
心地よい刺激に秀一の声が漏れた。
そのまま、押し潰したり、指の腹で撫でたり。突起は刺激に呼応して段々硬くなった。
『刺激的な光景だな。食欲をそそる』
「そんな、まじまじと見ないで」
『俺に見せせたくて、こんな風に脚を開いて丸見えポーズをしてるんだろう?』
「それ、は…」
その通りなのだが、改めて口にされると居たたまれないほど恥ずかしい。
『もっと大胆になってくれ、俺のために。よがる姿を見せてくれ』
奨のため。そう言われると秀一はこくりと頷く。
「んふぅ……」
胸の弄りと同時、自身の性器の根元を五指で握り込み、下から上に擦り始める。たらたら溢れる先走りが潤滑油となった。
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