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第66話★
「ひゃ…」
なんて恥ずかしい告白なのか。秀一は焦り呼吸を求め口をパクパクさせる。
彼は返事を待って黙っていた。
言わなくちゃ。
「僕も、あなたが好き。奨さん、好き、大好きーー」
こんなに苦しくて、惹かれて、愛しくて。
幽霊だなんて関係ない。
彼がいい。彼しか考えられない。
ついに気持ちを全て打ち明ける秀一。その言葉を聞いた奨は嬉しそうに表情を緩め、両腕を伸ばして秀一を抱き締める。
『ありがとう、シュウ』
「……嬉しい、奨さん」
向かい合い、彼の膝上に乗るようにする秀一。ゴンドラは体重のバランスが崩れて少し軋むかもしれないが、そのぐらいで激しく揺れたりはしなかった。
彼のウェーブがかった髪に触れ、指を通して感触を楽しみくしゃっとする。
奨は秀一の首裏に手を回して引き寄せた。
秀一の首筋に奨は顔を埋め、素肌に唇を当てる。少し肉を食むようにし強く吸う。
「あッ」
身体に走る電撃みたいな快感に秀一は声を跳ねさせる。
こんなところで。家じゃないのに。
試着室での行為を許してから奨は大胆だ。
首筋から鎖骨へ、奨の唇はなめくじのように這う。
「あッ…駄目、奨さん」
ゴンドラは一周が15分だ。降りる時に行為に及んでいたりしたらどうなるか。
奨は秀一のサマーニットを捲り上げた。インナーのシャツも胸の上まで持ち上げ、胸元を露出させる。
『君は俺のものだ』
外気に曝されて震える白い肌。ピンクの突起は上向きに咲いている。
秀一の腰をしっかりと抱き支えたまま、奨は胸元に顔を埋める。
突起にキスをしたら、ペロリと舐めた。
「やんッ…」
秀一は奨の肩を掴み、倒れないように必死に自身の身体を支える。
刺激に敏感に反応する度に背を美しく反らしながら。
「もう、やめて…!」
ゴンドラが降りきったら。いやいやと首を振る秀一に奨は言った。
『俺の印をきざんだだけだ』
そして胸元から顔を離すと秀一の服を直してあげる。
中途半端に煽られ身体が熱くなってしまった秀一は、顔を真っ赤にする。
気付いたからだ、奨が何をしたのか。
首筋に、バッチリとキスマークが残されている。
「あ!こ、こんなのつけて!」
『いいだろう?恋人同士なんだから』
「もう!」
怒る気にはなれない。まだ膝上にいた秀一は彼の額にキスを落とす。
奨は秀一の背中に腕を回して抱き締めた。
広い腕の中で秀一は強い安堵に包まれる。
うっとりとして目を閉じ温もりを満喫した。
『愛してるよ、シュウ』
「僕もーー愛してる」
幸せに包まれて、秀一はさっき感じた視線のことなどすっかり忘れていた。
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