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第73話★

「脱がせて…」 自分で脱ぐのは恥ずかしいから、秀一はそうお願いをした。 着ているのはブルーで無地のパジャマだ。 奨は黙って頷くと、まず秀一を仰向けに寝そべらせた。 シーツに皺を作り、その上に身を横たえる秀一。 起き上がった奨は秀一を跨いで上に位置する。 パジャマの上着のボタンに指先がかかる。 一つ、また一つと外される度に秀一の胸の鼓動が高まる。 前がはだけると、アンダーを着ていない素肌が露になる。 滑らかな胸板に、ピンクが2つちょんと咲いていた。 行為への期待でそれは触れられる前から尖りを見せ上向きだ。 『綺麗だ、まるで桜の蕾のようだ』 「うう…」 『いや、熟れた果実かな。とても美味しそうだ』 詩的な表現に赤くなり顔を逸らす。奨はそんな風に秀一を照れさせるのが愉しくて仕方ない様子だ。 いつもならツンツンと憎まれ口の一つでも叩くのだが、今はそんな余裕はなかった。 早く触れられたい。 抱かれたい、彼の太く硬いモノに貫かれたい。 そう強く願いながら秀一はそわそわとした。 奨はそんな秀一を見透かしてか、蕾に軽くチュッと口付けを落とすだけ。 「あんッ」 軽く喘ぎを漏らす。 その様子に奨は満足そうだ。パジャマのズボンと下着は黒霧が触手化し、するすると下ろしていく。 一糸纏わぬ姿にされた秀一は膝を立てて恥ずかしい部分を隠す。 何度も見られた箇所であるが、だからとオープンには出来ない。 『脚を開け』 「ッ……」 『全部俺に見せるんだ、シュウ』 「……」 ゆっくりと膝を左右に割る秀一。 M字に開脚すると、興奮のためにそそり勃つ男性自身、陰嚢、そして双丘の割れ目にある後孔まで全てを見せることになった。 視線が突き刺さる。今きっと奨は秀一の小さな孔を見ているはずだ。 鏡の前で挿入されて以来の秘所を。 「そんな、まじまじと見ないで…」 睫毛に恥じらいを載せて伏せ、か細い声でお願いする。視線に犯されている。このままでは、触れられてもいないのにイッてしまいそう。 『蕩けさせたい、シュウの全てを』 「……!」 気障な台詞を平気でいっても様になるのはイケメンだから。 澄んでいながら鋭い瞳には圧がある。

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