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第95話★
「お、お待たせ」
ぴょこ、とまず顔だけを覗かせる。実体化し、ベッドに座って秀一を待っていた奨は秀一に視線を向けた。
「奨さん、どう?似合う…?」
ゆっくりと部屋に入り、メイド服姿の全身を見せる。
スカートは腰周りがスースーするし、白ストッキングの肌触りについ脚を擦り合わせる。
『凄く似合う。可愛い』
奨は最初ニッコリしたが、すぐに表情を引き締める。
『しかしシュウ、そこは奨さん呼びではない、ご主人様だ!』
「ええ…?」
確かにこの格好ならそうだけど?!
イメクラ的な展開に戸惑いながら、スカートを押さえて秀一はか細い声を出す。
「ご、ご主人様……」
『うむ。完璧だ。よし、じゃあ奉仕して貰おうか』
奉仕ーー秀一は、シャワーを浴びながら彼の男性自身を舐め舐めした時を思い出す。
あの時みたいに、また。
エッチなことを彼にされるのもドキドキするが、エッチな奉仕をして彼を気持ちよくするのもときめく。
奨はベッドに寝そべる姿勢を取った。衣服は黒霧に変化し、彼の身体に吸い込まれていく。
彼の筋肉質な肉体を見る度、秀一の胸は高鳴る。雄々しく勇ましい。
『俺の上においで、シュウ』
乗っかれということ?
秀一はスカートの前を押さえながら、そろそろと彼の上に覆い被さる。ノーパンだから、ちょっと脚をあげたらミニスカートの裾から恥ずかしい部分が見えてしまうのだ。
彼の身体の上にちょんとうつ伏せに寝そべるメイド、否、秀一。そして上目遣いに彼を見上げた。
『いや、逆だ。お尻を俺の方に向けるんだ』
「え…?!で、でも」
『何か問題でも?』
「え、いやその」
下着をつけてないなんて言えない。
もう全裸だって何回も見せているのだから、恥ずかしがるのがおかしいのは理屈では理解する。
しかし、今の秀一はメイド姿だ。スカートの下の秘密を見られると思うと心臓が口から飛び出そう…!
しかし、奨の物言いには逆らえる雰囲気を感じない。
秀一はのそのそと身体を180度転換する。スカートがひらひらするお尻を彼の顔の方に向けた。
所謂69(シックスナイン)、相互に性器を舐め合う姿勢を秀一は要求されたわけだが、まだ気付いていない。
秀一は恥ずかしいポーズに応えた。
『……これは』
ノーパンで丸出しのお尻は奨がバッチリ見えている。
奨が言葉を途切れさせたので、秀一は慌てて言い訳をした。
「だ、だって女の子の服に男の下着は似合わないと思って!だから、その」
『それでこんな刺激的な光景を俺に見せているのか?』
奨の手が伸びて秀一のお尻を撫で回している。スカートを履いているせいか、まるで痴漢をされているような気分だ。
「やぁんッ!」
『ご奉仕はどうした?』
「う、う…だって、そんな風に触られたら」
『触られたくてノーパンなんだろ?』
「ちがッ…」
剥き出しのお尻に這い回る感触に耐えながら秀一は前を向く。そこには寝そべる奨の分身が屹立していた。やや腹側に反り気味、茸のような亀頭は張りがある。
雁首の下の竿には血管が脈々と走っていて、独立した生き物のようだ。
秀一の股間にあるものとは迫力が違い、見る度に威圧されてしまう。
こんな大きなものがいつも、秀一の後孔に押し入り身体を貫いているのだ。
ごくり、と唾を飲む。
「ご奉仕、します」
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