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第114話★

『……シュウ、俺は君を死なせたくなかった。まだ君は若い。その生を失って欲しくなかったんだ。俺がエネルギーを全て失っても』 「奨さん。僕だってあなたに消えて欲しくなかったよ!…だから…!」 奨の広い胸板に迎えられ、秀一はほ、と息を吐く。 ここが秀一の居場所だ。安らぎを得る場所だから。 『俺達は一緒なんだな。自分より、相手が大事なんだ。それが、想うということだ』 「うん…」 『シュウ、愛してる。誰よりも君を』 熱帯びた言葉が注がれて、秀一は耳まで赤くなった。 心を鷲掴みにされる時。 「僕も…愛してる」 奨は秀一の細身を抱く。柔らかな髪に指を通して愛おしげにすく。 それは櫛のように優しい動きだ。さらさらと髪が指の間をほどけていく。 『抱いても、いいか?』 「……いっぱい愛して」 愛したい、愛されたい。 それ以外の想いは二人にはなかった。 奨が欲しているのはエネルギーではない。秀一そのものだ。 奨の背後から黒霧が湧き出でて、何本もの触手を象る。 うねうねと蠢いて、それらは器用に秀一の身体から衣服を剥ぎ取っていった。 一枚、また一枚。はらりと溢れる。足元に落ちる布と衣擦れの音。 奨が秀一の肩に手を添え、荒々しく押し倒す。 もつれたまま二人はベッドの上で重なりあった。 奨が唇を重ねると、触手たちはさわさわと秀一の肌を這い回る。 「んッ……」 白い肌がふるり、粟立つ。 刺激に反応して秀一は切なげな喘ぎを漏らした。 室内に、卑猥な吐息が満ちていく。 「キスして…」 吐息の中でおねだりをすると、奨はすぐに秀一の唇を塞いでくれた。 秀一の全身に歓喜が溢れる。秀一は奨の舌を求めて歯列をなぞり、また唇を貪る。 キスだけで感じる。 ぞくぞくと背筋を駆け上がる快楽。 既に、秀一の男の象徴も激しく膨張しているのが隠せない。同じように奨の男性自身が硬くなっているのがわかる。 二人の身体は上と下に重なり密着しているのだから当たり前だ。

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