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第116話★
「ひ、…ッ!」
もう既に、秀一の内部は幾度も奨を迎えている。
身体を弓なりに堪えながら、秀一は苦しさを伴う歓びを全身で受け入れた。
触手が秀一の胸元と性器を弄る。三点責めが始まると、秀一はたまらず声をあげる。
「やああんッ…気持ちいい…」
胸元の突起は刺激にすぐ反応してピンクの膨らみと化す。
性器は触手の締め上げに歓びながら膨張する。
縦横無尽に秀一を犯す触手を、初めての頃は気持ち悪くも感じた。しかし今はむしろないと物足りなく感じるほどだ。
触手の愛撫と同時、奨は体重をかけて秀一を組み敷く。
『シュウ…!』
最初から容赦のない突きを繰り返すので、秀一の細身はがくがく揺れたしベッドは壊れそうなほど軋んだ。
「あんッ!ああッ!もっと激しく、もっと…!」
身体が壊れてしまうほどの律動が襲ってきた。
揺さぶられながら秀一は奨に手を伸ばす。奨はそれに応え、二人は指と指をしっかりと絡めた。
『シュウ…俺のものだッ!全てを愛してる…!』
こんなにも愛しさを感じて。
胸が苦しくてたまらない想いを抱えて。
二人は高みに上り詰めていく。
絶頂はすぐそこだ。
「奨さんッ!……あああッ!僕、出ちゃうッ」
涙声で訴える秀一。触手に容赦なく擦られた性器が悲鳴をあげている。
奨も、秀一の小さな孔の締め付けに苦しげに唸った。
『俺も…イくッ!シュウ、俺の全部を受け取れッ!』
秀一が精をびゅくびゅくと垂れ流す。白濁が勢いよく吐き出される。奨も絶頂を迎え、秀一の体内に満ちた。
熱く、乱れて蕩けて1つとなる二人。
握った手はそのまま、ぐったりとして折り重なる。
暫く快楽が引いても、二人は身体を離すことはなかった。
「奨、さん…」
荒い呼吸を整え、秀一は奨を見つめる
体力はもうギリギリだ。このまま倒れてしまいそうなほど。
それでも、彼を求めた。
愛し合った後も肌を合わせ、心を寄り添わせようと。
奨は秀一との結合を解くと、黒霧にいつものように精液を吸わせた。二人の身体が綺麗になる。
微笑んだ奨は、ベッドに寝そべる。
『おいで、シュウ』
奨は枕の上に太い腕を伸ばした。
腕枕に気付くと、秀一は嬉しそうにその上に小さな頭を載せた。
逞しくて暖かい極上の居場所が秀一に安堵を与えてくれる。
「奨さん、ずっと僕の傍にいてね」
『ああ。勿論だ』
目蓋を伏せる秀一は、幸せの微睡みに沈んだーー。
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