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◎次への約束
俺の腕の中で、俺よりひとまわり程若い後輩は、そのしなやかな身体をぎゅっと丸めるようにして達した。
両手で口元を押さえ付けていたその指先までもがふるふると小さく震えている。
マルクスは元からツリ目のせいか、快感に閉じてしまった瞼も端が持ち上がっていて、切なげに寄せられた眉と相まって、なんだかたまらない表情をしていた。
「ん……っっ、っ、んんんっ……っ!!」
俺が手を止めても、後輩の内側は小さく痙攣を続けていた。
俺は、触手の内に吐精されたそれをチラと見る。
昨日の今日で、吐き出された精はそう多くはなかったが、それでも十分な量だろう。
マルクスの真っ赤に染まった頬も耳も、その全てが、俺の与えたものを素直に受け取った証のようで、愛おしく思えてしまう。
マズいな……。俺がハマってどうするよ。
俺は、いつの間にか溜まった唾液をごくりと飲み込んで、極力平静を装いながら声をかける。
「……いい子だ」
言って頬を撫でれば、後輩は必死に息を継ぎながら俺の掌に擦り寄る。
「……っ、ん、……んっ、せ、……っ、せんぱ、ぃ……っ、んんぅ、きもち、いい、の……っ、とまら、な……っっ」
くそ、いちいち仕草が可愛いな……。
まだビクビクと揺れる後輩の内側をもう一度突き上げてやりたい衝動と戦いながら、俺はゆっくり触手を抜き取る。
掌から伝わるマルクスの頬の熱が、俺の芯まで届きそうで、俺は思わず手を離した。
「ぁ……」
マルクスが、酷く寂しげな声を漏らす。
榛色の瞳が、視線で俺に縋り付く。
その視線を受け止めて、俺は静かに返した。
「もっと欲しいか?」
「ん……、もっと……ほし……ぃ、です……」
熱を孕んだ瞳が、俺に真っ直ぐねだる。
俺は苦笑を滲ませて答えた。
「今日はここまでだ。また来週末に、続きをしてやるよ」
マルクスは、快感に溺れそうな瞳を不思議そうにぱちぱちとゆっくり瞬かせて、尋ねる
「……らい、しゅう……?」
「ああ、来週な」
俺は、これでもうしばらくだけ、こいつが死なずに居てくれる事を願いながら、ぽんぽんと後輩の頭を撫でた。
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