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3-6
「もうイきそうじゃん。いいよ、イかせてやる」
蓮がラストスパートをかけるかのように、腰の動きを速めた。あと少しで達しそう、という段になって突然、扉の向こうから数人の話し声が聞こえてきて、理人はビクッと身体を強張らせた。
「……っ!? ちょっ、待て……っ!」
慌てて声を潜めて制止するも、蓮はお構いなしに腰を揺すり続けてくる。
「ふっ……く、……っ!」
「ははっ、すっごい締まる……興奮してるんだ?」
ニヤリと笑われ、カッと顔が熱くなるのがわかった。違う、これは違うんだと必死に否定しようとするが、身体の反応までは誤魔化せない。
「ちがっ、ぁ、んんっ!」
唐突に蓮が理人の身体を羽交い絞めにして起こした。身体が密着し耳の中をぞろりと舐められる。
「ふ、ぁッ」
「あれ? なぁ、いま……何か聞こえなかったか?」
「え? なに?」
扉の向こうで誰かの声がして、心臓が止まる程驚いた。まさか気づかれたのか? 焦る理人を他所に、蓮は腰を振り続けながら、首筋に舌を這わせてくる。
「っ……ぅ……っ」
「声は出すなよ。絶対に、向こうに聞かせるんじゃない」
耳元で悪魔のような囁きが落とされ、理人は絶望的な思いで身体を震わせた。そんな理人の反応を愉しむかのように、乳首を指で捏ね回し耳に息を吹きかけながら、蓮は激しく腰を動かし始める。
「――っ、ん、ふぁ……っ」
こんなの無理だ、ただでさえ限界が近いのにいっぺんに色々と弄られたら耐えられるわけが――。
そう思った瞬間、今までで一番激しく突き上げられ、堪えきれずに理人は声にならない声を洩らした。
「んんっ!!……っく、……~っ!!」
必死になって口を押さえるも、くぐもった悲鳴が漏れてしまった。
「やっぱ何か聞こえるって」
「えー? まっさかぁ」
蓮の腰が激しく動き、奥の奥まで突き上げられる度に喉の奥がヒクつき嬌声を上げそうになる。扉一枚隔てた向こう側に誰かいると思うと心臓がバクバクと早鐘を打った。耳の中で蓮が立てる卑猥な水音と、直ぐ側にいるであろう男子達の声とが混ざり合い、頭の中がぐちゃぐちゃになっていく。そうしている間にも、蓮は奥を穿ち理人を絶頂へと導こうとする。とてもじゃないが、自分を制御できなくなりそうだった。
どんなに堪えようとしても堪えきれず、噛みしめた唇の隙間から小さな喘ぎが洩れた。与えられる快感に抗えず理性とは裏腹に身体はどんどん昂ぶっていってしまう。
追い詰められていく理人の耳元で、蓮が息を吹き込むように囁いた。
「お前を追い詰めてるのは、俺なんだってこと忘れるな」
「ん、く……っ」
そんな事、言われなくてもわかっている。だが、それを改めて言われることで理人は余計に惨めな気分になった。悔しくて涙が出そうだったが、唇を噛みしめてどうにかやり過ごす。
「ん……っ、く……っ」
「ははっ、すごい締め付け……。君、やっぱり虐められて感じるタイプなんじゃないか?」
「っざけん……っ」
「ほら、声が大きいよ」
そう言いながらも蓮の腰使いはさらに激しさを増した。もう駄目だと思ったその時、蓮の親指が理人の先端をグリっと押し潰してきたため、目の前で火花が散るような衝撃に襲われた。
「ひ、ぅ……っ」
抗いきれず背中を大きく仰け反らせてビクビクと痙攣すると、堰を切ったように精液が溢れ出た。それと同時に、蓮のモノをきゅうっと締め付けてしまい、熱い飛沫を身体の最奥に感じた。
どくどくと熱い飛沫が勢いよく放たれる感覚にすら快感を覚えてしまい、達したばかりの身体は小刻みに震え続けている。
蓮は長い射精を終えると、ずるっと性器を引き抜いた。その感覚ですら今の理人に取っては快感でしかなく、甘い吐息を漏らしてしまう。
「はぁ……っ、ぁ……んっ」
ようやく絶頂の波から解放され、安堵の溜息をついたのも束の間、背後から伸びてきた腕にいきなり両肩を抱き寄せられ壁に押し付けられた。覚束ない足腰では抵抗もままならず、膝裏に腕を差し込まれ戸惑う間もなくそのまま抱きかかえられるような体勢になった。
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