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3-7
「っ、おい、ちょっと待てっ」
「まだ足りない」
蓮は理人の言葉など聞かず、そのまま自身が便器に腰掛けると理人に自分の胴を跨ぐようにして座らせた。そして理人の腰を掴むと一気に引き寄せる。
「あぁっ! やっ、んんっ」
再び最深部まで挿入されて、理人は声を抑える事も出来ずに悶えた。蓮の肩にしがみ付きながらビクビクと背をしならせ身悶える。
「は、声デカいって……それとも聞かせたいわけ?」
耳元でねっとりと囁かれ、慌てて首を振った。聞かせたいわけがない。
「フッ、どうだか? さっきから搾り取られそうなくらい締め付けて来るんだけど……っ」
蓮が熱っぽい声で呟きながら、下から容赦なく突き上げてくる。結合部から溢れ出した白濁が泡立ちぐちゅ、ぐちゅと凄い音を立てている。
「は、う……っ奥、当たって……っふ、ぁあっ」
「ここがいいんだろ? さっきより感度が増してる」
蓮は意地悪く言うと、先ほど散々苛められた前立腺を集中的に狙ってきた。腰を突き上げる度、結合部から溢れた体液が飛び散り、互いの肌を汚していく。もう、声を気にしてる余裕なんてどこにもない。
「っ……いやっ、だ……ぁっ、こんな……っあぅ、だめっ」
「フン、そんな事言いながら、言ってる事とやってる事違くない?」
グリッと抉りこむようにして、蓮が腰を突き入れた。深々と根元まで咥え込ませられ、あまりの質量と圧迫感に意識が飛びそうになる。
微妙な動きで内部を置くまでかき乱され、強烈な快感に身体が震える。
「ひぁっ……あっ、ダメッ……ふっ、ソコ……もう、ぅぁっ! は……っソコ、は、……またっ」
「ああ、今にもイっちゃいそうだね。無理やり犯されてるのにイくなんて、どんだけだよ」
「うっ、あっ、あっ! ちがっ、は……っ」
耳元で低く囁かれゾクリとしたものが背筋を走ると同時に、体内に埋め込まれたものが再び質量を増すのを感じた。
蓮が何を言っているのか、思考力の低下した状態では理解する事も出来ない。耳元に響く荒い呼吸と粘着質な水音が脳内に反響し、何も考えられなくなる。
内臓を犯され、狂いそうな程の快楽を与えられて、ついさっき達したばかりだと言うのに、また射精の瞬間を求めて、全神経が張り詰めていく。もう、何も考えられない。身体も心もドロドロに溶かされていく。
我を忘れ、本能が命じるままに気が付けば理人は自ら腰をくねらせていた。狂ったように見悶えし喘ぐ自分の姿を蓮がどう見ているかなんて考える余裕もない。
「ぅ、はっ! や、ぁあっ……っ蓮、蓮……っいい……気持ちいい……」
もう自分を偽れなかった。蓮に蹂躙され、暴き出された欲望が理人の口から言葉となって零れ落ちる。一度口にしてしまえば、後はなし崩しだった。もっと欲しいとねだって自ら腰を揺らす姿は酷くみっともなく浅ましいものだったが、もはやそれを隠す理性は残っていなかった。
絶頂に達する。そう感じた瞬間に、いきなり顎を掴まれた。息苦しくて開いた唇に柔らかなものが押し当てられる。
それが何だかわからないままに舌を絡めとられ、ねっとりと舐め回された。
「ん……ふ……っ」
熱い吐息を呑み込みながら、思考も意識も何もかもが真っ白に染まっていく。熱い口付けを受けながら理人はぶるりと身体を震わせ達していた。一度放った後とは思えない程勢いよく濃い粘液が二人の腹を汚していく。
「んんんーーっ!」
蓮が一際強く腰を打ち付けたのがわかった。理人の絶頂に促されたように、蓮もほぼ同時に達していた。体内で脈打つものを感じながら、理人はまたびゅくびゅくと精を放った。
繋がった部分から蓮の身体が痙攣するように震えるのが感じられる。
口腔内で舌が蠢く。まるで生き物のように絡みつき、吸い上げられ、甘く噛まれる度に身体がビクビク震えてしまう。
「ん……っ」
ようやく唇が解放された時には、全身から力が抜けてぐったりとしていた。
蓮の身体に身を預けるようにして、肩で大きく息をする。
「逃がさないよ……」
荒い息を吐きながら、蓮がそう呟くのを何処か遠くで聞いたような気がする。
もう、何も考えたくなかった。
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