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「あー、気持ちいい。やば、マジで良いわ。お前の中」
「くっ……そ……っ、あっ、んぁっ」
悔しくて悪態をついてみたけれど、身体の方は正直だった。
散々弄ばれた後孔はすっかり柔らかく蕩け、内壁はきゅうっと収縮して蓮の剛直を締め付ける。
もっと奥に欲しいと言わんばかりに吸い付く肉壁に蓮は苦笑した。
「やっぱ、身体は素直だよなぁ。ほら、わかるか? お前のココ、早く中に注いでほしいって絡みついてくるんだけど」
臍の下辺りを上から押さえつけながら腰を動かされ、身体の中に埋め込まれた蓮の熱の形をありありと感じてしまう。
「やっ、そんな事……なっ、ひぁっ」
「ははっ、すっげぇ締まる。ほら、こことか好きだよな」
「やぁっ、そこだめっ、だ、あぁっ」
最奥を突き上げられ、目の前に火花が散る。
何度も激しく抜き差しされ、敏感な箇所を攻め立てられればもう我慢できなかった。太腿がブルブルと震え背中が弓なりに反り返る。強烈な絶頂感が押し寄せてきて、一気に頭が真っ白になった。
「っ、も、くるし……ほどいて、これ……っあっ、く……っ」
一刻も早く解放して欲しくて縋るように訴えるが、蓮は小さく笑うだけで一向に戒めを解こうとはしなかった。
「そんなに締め付けたら、中に出しちゃうかもなぁ」
「う……っく、やめ……っ」
「じゃあ頑張って耐えないと」
蓮はそう言うと抽送を速めてきた。体内を探る様に腰をグラインドさせ一点に絞って集中的に攻め立ててくる。
「あぁっ、やっ、激し……っ、んんっ」
「ほら、がんばれよ」
「ひぃっ、むり……っ、無理だって……っ、くっ、ぁああぁっ」
蓮の怒張が最奥を強く突き上げた瞬間、頭の中で何かが弾けたような気がした。全身の力が抜け、ガクガクと足腰が震える。
それでも蓮は動きを止めず、激しく突き上げてきた。
「やぁあっ、待って……っ、イってる、いま、イってる、……からぁっ」
「知ってる。すっげぇ痙攣してるもんな。中、めっちゃうねってるよ」
「やっ、あぅっ、あっ、それ、ダメッだっ!」
イっている最中に更に激しく突き上げられ、過ぎた快感が辛かった。
涙で滲んだ視界に、蓮の顔が映る。その顔は酷薄な笑みを浮かべていた。
「やっべぇ、超興奮する。お前、ほんと最高」
「ひっ、やめっ、あぅっ、もっ、許し……っ」
「マジ、クるわ……っ」
蓮は腰の動きを更に早め、理人の身体を貪り始めた。身体を揺さぶられるたびに、理性がどんどん削られていく。
「あぁっ、またっ、や、あっ無理、こんなの、また、イく……ッ」
「ハハ、連続じゃん、出て無いけど……っ、はぁっ、俺もそろそろ……っ」
「やだっ、中は……っ、あっあっあっあぁっ!!」
ラストスパートをかけるようにズンと勢いよく突き入れられ、同時に縛り付けていた戒めを解かれて目の前がスパークした。
「会長~。買って来ましたよ……って、玄関先でナニやってるんっすか」
ドクドクっと熱い飛沫が体内に注がれていくのを感じながら意識が遠ざかろうとしたその時、背後から聞き覚えのある声が聞こえてきてハッと我に返った。
「あ? なんだ、山田か。ちょーっと遅かったみたいだな」
「いや、知らねぇし。てか、玄関開けたままヤるの止めてくれません? なんか落ち着かないんですけど」
言いながらも視線はじっとこちらに向けられている。舐めるような視線が嫌で理人は顔を背けた。
「うるせぇな。文句あんなら帰れよ。こっちはこれからお楽しみなんだよ」
「いやいや、こんなん見せられてゴムだけ置いて帰れってどんだけ鬼なんっすか。いい加減、俺も混ぜてくださいよ」
「……なめてんのか? 何回駄目だつったら気が済むんだ」
「え~。でも、このままじゃ生殺しじゃないっすかぁ。まさか会長。鬼塚部長にガチで惚れてるとかそういうオチじゃないっすよね?」
「あ? 何言ってるんだ。……んなわけ……」
蓮は舌打ちすると、乱暴に理人の腰を掴み持ち上げた。そのままズルリと引き抜かれると大量の精液が溢れ出てきて内股を伝っていく。
「んんっ……中は嫌だって言ったのに……クソっ」
思わず悪態をつくと熱い手の平が徐に顎を掴んだ。半ば強引に上向かされて視線が絡む。その瞳には困惑と苛立ちの色がありありと浮かんでいて――。
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