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どのくらい経っただろうか。優しく背中を撫でているとそのうちスースーと穏やかな寝息が聞こえて来た。
理人はそっと透の頭を撫でると起こさないようにベッドから降りて下に敷いた布団に潜り込む。
透が純粋な奴で良かった。もし強引に事に及ぼうとしてきたら抵抗できる自信が無かった。
あの太くて熱い楔を打ち込まれたら……。きっと、テクニックなんてものは持ち合わせていないだろうからサルみたいに腰を振りたくるだけかもしれないが、激しく突き上げられたらどんなに気持ちがいいだろう。そんな想像をしただけで身体の奥が疼き、下着の中が窮屈になった。
――浅ましい。
自分で自分を蔑みながらも、理性とは裏腹に身体はどんどん熱を帯びていく。
「――っ」
息を押し殺し下着を下げてすっかり熱くなってしまったソレを握りこんだ。
軽く扱いだだけで蜜を滴らせてしまう浅ましさに辟易しながらも先端を親指でグリグリと弄れば、どうしようもなくゾクゾクと快感が押し寄せて来てしまい扱く指の動きが自然と早くなっていく。
――駄目だ。こんな事しちゃいけない。すぐ側に透が居て、もしかしたら起きてしまうかもしれない。
今すぐ止めなくては。頭では理解しているのに、目の前の現状に興奮しすぎて止められそうになかった。
「は……く……」
さっき透に捏ね回された乳首がジンジンと熱を持って疼いている。無意識のうちに胸元に手を伸ばしてキュッと摘まんでみると、ビリリと電流が走ったような感覚がした。思わず声を上げそうになって慌てて唇を噛んで堪える。
――あぁ、どうしよう。止まらない。
乳首を摘まんで捏ね回す度に下半身が甘く痺れて、堪らずに腰が揺れる。
駄目なのに、やめなくてはいけないのに、快楽に負けて手が勝手に動く。
「ん……ふ……っ」
さっき、透に偉そうなことを言ったのに、あの年齢にしては立派過ぎるモノを押し付けられた感覚が、熱が忘れられない。
――アレで激しく突き上げて欲しい。奥まで貫かれて、滅茶苦茶にして欲しい。
浅ましい欲望が次から次に溢れ出て来る。
気付けば理人の右手は己のモノを扱くだけでなく、左手は胸元をまさぐっていた。
すっかり勃ち上がった突起をクニクニと押し潰すと堪らず甘い吐息が洩れそうになり慌てて枕に顔を埋める。
「――っ、ふ……っ、んん」
駄目だ、声が漏れる。必死に声を殺しながら自慰に耽るがあと一歩刺激が足りずに達することが出来ない。
そう言えば、蓮の家でもそうだった。ある程度昂ることは出来るが絶頂を迎えるまでには至れずにモヤモヤした思いばかりが膨らんでいく。
「……は、くそ……」
身体の奥が突き上げて欲しくてヒクついているは自分でもわかっていた。唾液で濡らした自分の指だけじゃ足りない。もう、何でもいい。早く楽になりたい。
理人は布団から這い出るとベッドに近付いた。そして、眠っている透のズボンとパンツを同時に引き摺り下ろす。
透のソレは半勃ちの状態でも大きい分類に入るだろう。完全体になったコレが自分の中で暴れまわったらどれだけの快感をもたらしてくれるのか。先ほど背後で感じた熱を思い出し、無意識にゴクリと喉が鳴った。
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