61 / 228

5-19

「ま、て……っ」 「待たないつってるだろ」  慌てて蓮の胸板を押すがびくともしない。雨で湿ったシャツを捲りあげられ素肌に指先が触れた瞬間、ビクンと身体が小さく震える。そのまま雨で湿ったシャツを胸元迄まくり上げると、腹筋を辿って脇腹まで滑らせた手が今度は上に向かって這い上がって来た。  ほんの僅かに触れられただけで、乳首が痛いほどに尖りだす。それを見逃さなかった蓮はニヤリと笑うと、ピンと勃ち上がった突起を摘まみ上げた。 「っ、んんッ!!」  ビリっと電流が走ったかのような衝撃に、思わず声を上げそうになるのを手の甲を噛んで必死で堪える。  すると蓮は羽のようなタッチで乳首をフニフニと弄びながら理人の肩口に顔を埋め首筋に舌を這わせて来た。 「んっ……は、ぁ……っ」  指で撫でられるよりも強烈な快感に、理人の口から堪えきれず甘い吐息が洩れる。抵抗する力が緩んだ隙にズボンを下着ごとずり降ろされ露になった性器に指が絡んだ。 「ぁ……っ」 「すげぇな、もうドロドロじゃん」 「うるさい……っ」  慌てて隠そうとするが許してもらえず、手首を掴まれると同時に一瞬うなじを強く吸い上げ、しかし痕が残る寸前の所で止めると、舌先を尖らせつつ耳たぶを食んできた。 「ふぁ……っ耳、や……めっ」  ちゅくっ、ちゅくと鼓膜に直接響く水音が脳を犯されるようで堪らない。身体の力が抜けるのを見計らったかのように耳の穴にぬるりとしたものが入り込んできて、ビクンと身体が跳ねた。 「ひゃっ……っ、あ……っ」  そのまま耳全体を舐められると、ぞくぞくと背筋に甘い痺れが走る。 「れん……っ、も、それ、……や……だ、ぁっ」 「嫌じゃなくてイイの間違いだろ? 物欲しそうに腰揺らして、俺の手に擦りつけて来ていやらしいな」  耳元で囁かれると、羞恥心でどうにかなってしまいそうだ。恥ずかしいのに、腰を浅ましく動かして快楽を追ってしまう。 「っ……、ん……っ」  蓮の言う通りだ。はやく、欲しい。もっとめちゃくちゃにして欲しい。もっと気持ち良くなりたい――。  くちゅくちゅと扱きながら、熱い唇が胸元まで降りて来て、ちゅぅっと敏感な尖りを吸い上げる。 「っ、や、ぁあっ、それ、や、ぁっ」 「素直になれよ。ここ、舐められんの好きだろ?」 「んんっ……っ」  舌先でチロチロと先端を刺激されると、身体の奥が疼いてどうしようもない。 「っ、も……っ、だめ、だから……っ」 「何が駄目なんだよ」  蓮の声色に若干の苛立ちが滲んでいて、それがまたゾクゾクと理人を興奮させる。 「嫌、なんだ……俺ばかり、こんな風に………。だから、早く……っ此処に、ぶち込んでくれよ」  蓮の股間を膝頭で押し上げながら自分の手で後孔に手を伸ばして開いて見せると、ごくりと蓮の喉が鳴った。 「っ、おま……っマジ……」 「お前も、余裕無くす位、乱れろよ……悔しいだろ、俺ばっか――っ」  全ては言わせて貰えなかった。獣のような荒々しい口付けと共に、腰を持ち上げられ耐えかねたように理人に覆いかぶさって来ると、腿を大きく開かされヒクついた入り口に熱い塊があてがわれる。

ともだちにシェアしよう!