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「んんっ、ん――っ」
酸欠で頭がクラクラする。酸素を求めて口を開けば舌を絡め取られ強く吸われた。荒々しい口付けの合間にも、絶え間なく奥を穿たれて、身体の奥が甘く疼く。
気付けば突き入れられる動きに合わせて、理人も腰を揺すっていた。喉の奥から漏れ出る声は、淫らな響きを帯びて室内に響いている。
「ふ……っ、は、ぁ、ァッ! ……ん、ん――っ」
「は……っ堪らない……」
何時になく余裕のない蓮の熱っぽい呟きが鼓膜を震わせて、それだけでぞくぞくと背筋が粟立った。
「ひぁっ……。あっ……だめっ、だ……ふ、ぅっ……。もう……は、ぁあっ。 っ……」
「えろい腰遣いだな。さっきからキュウキュウ締め付けて来てんぞ。よっぽど好きみたいだな、コレが」
グリッと抉りこむようにして、蓮は腰を突き入れた。深々と根元まで穿たれて、一瞬息が止まる。口を大きく開き、酸素を求めて喉が喘いだ。絶妙な動きで内部を置くまで掻き乱され、強烈な快感に身体が震える。
「んぁっ……ぁ、あっ……ダメ、だッ……ん、ふ……。も、ぅあっ! は……っ、またッ……」
「おい、勝手にイクんじゃねえぞ。もっと俺を愉しませろよ」
「っ、んな……こと……言われても……ぁっ、も、我慢でき……な……っ」
「チッ……仕方ない、なッ」
「ぁ……っ!?」
蓮は突然理人の性器の根本を強く握った。せき止められた精液が逆流してきて、行き場を失った快楽が下腹部に重く溜まり狂おしいほどの疼きとなって理人を苛み始める。
「ぁっ、あ……っ、や、くそっ、なんで……っ」
「駄目だって言ったろ。お前は……そうやって、啼いていればいいんだ。よがり、悶えて、俺を……もっと求めてさえいればいい」
蓮が何を言っているのか、理人にはもうわからない。耳元で言い聞かせるような囁きにすら感じてしまい、ビクビクと身体が痙攣する。
「う、っ……ぁ、はぁっや、ぁあっ……あ、あぁっ! っ……」
泣きじゃくるような声を上げながら、理人は全身をヒクつかせていた。
内臓を犯され、射精感が急速に高まって行く。しかし、根元を握りこまれているために達する事はできない。身体の中で荒れ狂うばかりの快感に気がおかしくなりそうだ。
我を忘れ、本能が命じるままに理人は腰を振りたくっていた。激しく身悶えて、喘ぐ自分が蓮の目にどう映っているかなんて考える余裕すらない。
「っ……ぁ、あ……っ。は、ぁっ、あぁ……っも、イきたい……っ頼む、イかせ……っ蓮……っ」
生理的な涙を浮かべ、懇願するように放った言葉は、ぞっとするほど艶めかしく響いた。
「――ッ」
ごくっと生唾を吞む音が響いたと思ったと同時――。
蓮の剛直がものも言わずに腰を遣い始めた。小刻みに揺すられベッドがギシッギシッと軋みを上げる。
「う……っ、ぁあッ!! 話、聞いて……っ ぁっ……待て、や、激し……っ!」
激しい抽挿に、結合部からグチュッグチャと濡れそぼった音が響く。最奥を穿たれて目の前が真っ白になった。
蓮が戒めを解いたと同時に、顎を掴まれて再び唇を奪われた。
「んっ……ふっ……っ……」
獣のような荒々しい口付けに、もう何も考えられず、思考も意識も、何もかもが崩れていく。
口腔を蹂躙する蓮の舌に自らのそれを絡ませる。互いの唾液が混じり合い、飲み込みきれなかった分が口の端から零れ落ちた。
声すら奪われ、熱い口付けを受けながら、理人はまた達していた。一度放った後とは思えない位勢いよく大量の飛沫が迸っていく。
「――ッ」
貫かれた後ろと射精し続けるペニスの両方から凄まじい快感に襲われて、目の前で光が弾けた。
理人の絶頂に促されるように、蓮もほぼ同時に達していた。身体の奥で熱い奔流を感じながら、理人も二度目の絶頂を迎えた。
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