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邪魔はさせない
初めて瀬名と身体を合わせた日、相性がいいと感じた。あれから何度も肌を重ねてきたが、何故だろう? 今日はいつもより瀬名が愛しく感じる。
ソファの背もたれに身体を預けて座る瀬名の上に理人が跨り、向かい合うような状態で繋がっている。
「あ……、んんっ。……は、ぁっ」
瀬名が腰を突き上げる度に結合部からは卑猥な水音が響き、互いの身体はどんどん熱を帯びていく。自分の好きなように動けと促され、最初はぎこちなく腰を動かしていた理人だったが、次第に大胆さを増していった。
「や、は……っんんっ!」
瀬名の背中に腕を回し、自ら腰を振る。快楽を求めて動きが激しくなるにつれ、声を抑えることも忘れてしまう。
もっと奥まで突き入れて欲しい。もっと、もっと激しく……! そんな理人の様子を眺めながら、瀬名は楽しげに喉を鳴らして笑った。
「理人さん、はぁ、可愛い……堪らないな」
ちゅっと胸元に吸い付かれ、指で乳首を押し潰されるとビクンと身体が跳ねた。
瀬名は舌先で転がすようにそこを刺激しながら時折歯を立てて甘噛みしてくる。そのたびにじんわりとした快感が腰に来て、自然と内壁が瀬名を締め付けた。
「ん、ぅ……ぁっあっ! ソコ、無理っ」
「ここ?」
下から小刻みに揺すられながら、胸元を同時に刺激されたらひとたまりもない。ただでさえ限界まで高まっていた身体は、瞬く間に絶頂へと追い詰められていく。
「あ、あ、あ……っ。だめ、……っん。ぅっ……んんっ」
すっかり敏感になった胸元をきゅっと強めに摘ままれて、白い喉を仰け反らせ、びくびくと身体を震わせて達した理人を見て、瀬名は満足そうに微笑む。
「理人さんって、やっぱりMっ気ありますよね」
「はぁ……っ、はぁ……っ、うっさい……」
簡単に達してしまったのが恥ずかしくて、つい悪態をついて瀬名の肩口に顔を押し付けて隠した。射精後の余韻も相まってぐったりと身体を預けていると瀬名は理人の腰を抱いて体勢を入れ替えソファに沈めた。膝を深く折り、身体を倒して耳の後ろや首筋にキスをしながら、激しく腰を揺らし始める。
「ちょ、まだ待てって……ん、は…っく、ぁうっ、ぁあっ!」
制止の声を上げる理人を無視して瀬名は尚も抽挿を繰り返すと、理人は切なげに眉根を寄せて喘いだ。繋がった部分が溶けてしまいそうな程熱い。腰を打ち付けられる度に強い衝撃が全身を走り抜け、頭の芯が痺れるような感覚に陥る。
「――っ」
グッと一際強く突かれた瞬間、目の前が真っ白になり、次の瞬間には腹に温かいものが飛び散っていた。瀬名も少し遅れて理人の中に精を放つ。
身体の中に居る瀬名がどくどくと熱く脈打っていて、その生々しい感触にまた興奮してしまう。
「はぁ……」
長い溜息を洩らし、自分の上に倒れ込んできた瀬名の背中や腰を理人はゆっくりと撫でた。
互いの呼吸が落ち着くまで二人でそうしてから、瀬名がふっと顔を上げた。いつになく愛し気な眼差しに胸の奥がキュンと疼いた。
理人は、汗で張り付いた前髪を掻き上げ、ふぅと息を吐くと躊躇うように何度か唇を開いては閉じ、そして――。
「……愛してる。秀一……」
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