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12-3
「……なに、ニヤついてんだよ」
ムカつく。理人は不機嫌そうに眉根を寄せると思わずふいっと顔を背けた。
その様子がよほど可笑しかったのか、背後でクツクツと喉の奥で笑い声を上げる瀬名をジトッと睨みつけると、不意に椅子ごと後ろから抱きしめられた。
「すみません、理人さんがあまりにも可愛い事を言うからつい……」
瀬名の顔が下りて来て耳たぶを唇で挟んで上下する。尖らせた舌を耳穴に侵入させ、ぞろりと舐められれば鼻から抜けるような吐息が漏れてしまう。
「ぁ……んっ」
「声、もっと聴きたいから我慢しないで……?」
息を吹き込むように囁きながら、浴衣の隙間から手を差し込まれ、脇腹を撫で上げられれば、ゾクリと肌が粟立った。
「……っみ、耳元でしゃべんなっ」
「ふふ、感じちゃった?」
「ちがっ……んんっ」
抗議をしようと口を開いたタイミングで胸の尖りを摘ままれ、理人の口からは甘い喘ぎが零れた。
「理人さん、ここ弱いですもんね。ほら、もうツンと硬くなってる」
「ひっ、ぁ……あっ」
耳を熱い舌で嬲りながら、胸元を指先で押し潰され弄ぶように転がされると、痺れる様な感覚に襲われて腰が砕けそうになる。
頭の中でくちゅくちゅと響く水音がいやらしくて仕方がない。いつの間にか両方の乳首を同時に責められ、快感が全身を駆け巡って行く。
「はぁ、理人さん……見て、凄いいやらしい顔してる」
「な……っやっ」
耳を嬲りながら、不意に顎を掴まれ前を向かされた。鏡に映る自分の顔はまるで発情した雌のように蕩けて、だらしなく開いた口から唾液が垂れている。
そんな自分の顔が直視出来ずに視線を逸らそうとしたが、瀬名が許してくれなかった。
ギュッと少し強めに胸元の飾りを摘ままれ、痛みと快楽が混ざり合う。
「っあ……いたっ」
「ちゃんと見て。僕にどんな風にされてるか」
「ふぁ……んっ」
瀬名の手が下腹部に伸びてきて、乱れた浴衣の隙間から股間をつうっと撫でられた。
「あっ、ちょ……」
「……理人さん、これで期待してないなんて、嘘ですよね?」
「っ……」
瀬名の大きな手に握りこまれてゆっくりと扱かれると、既に反応していた自身が一気に硬度を増していくのを感じる。
「パンツ忘れたなんて言わないでくださいね? こんなに先走り溢して、いやらしいな」
「やっ、ぁ……ちがっ」
「違わないでしょう? 浴衣の下は何も身に着けて無いとか襲ってくださいって言ってるようなものじゃないですか」
「っ……」
図星を突かれて言葉に詰まる。風呂に入る際、どうせ後で脱ぐのだからと敢えて履かなかったのだが、それを瀬名に指摘されるのは流石に恥ずかしくてたまらない。
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