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相変わらず派手な格好をしている。ヒョウ柄のパンツスタイルに赤いシャツを合わせ、その上に黒のベスト。
更には首元にシルバーのネックレスを掛け、頭にはご丁寧にもヘアバンドまで付けている。
正直、花見をする恰好ではないと思う。
しかし、本人は満足そうな顔をしているので何も言わない事にした。それよりも気になるのは彼女の後ろに居る男の存在だった。
(あれが噂の彼氏か)
一体どんなガチムチマッチョが来るのだろうと思っていたが、現れたのは予想よりも遥かに普通の青年だった。身長は180センチ程で、顔立ちもまぁまぁ整っている方だと思う。
これと言って特徴の無いどこにでも居そうな風貌の男だったが、何処かで会ったことがあるような気がするのは気のせいだろうか?
「よぉ、山田。久々だな」
最初に口を開いたのは蓮だった。
ん? 山田?
何処にでもいる名前だが、何故だか妙に引っ掛かる。
「ふは、鬼塚先輩ってほとんど変わってないっすね。お久しぶりです」
目が合って、ぺこりと頭を下げられ、マジマジと顔を覗き込む。
自分の事を先輩と呼ぶ山田は、一人しか知らない。テニス部に居た蓮のツレだ。
「……ッこれは、どういうことだ?」
テニスコートで尻にローターを突っ込まれ対戦した凌辱の思い出が蘇って来る。
あの時とは風貌が変わっていてすぐにはわからなかったが、よくよく見てみれば、間違いなく彼だった。
「世間は狭いわよねぇ。この間偶然街で会ったの。それで思い出話に花を咲かせるうちに意気投合しちゃって~」
「いやー、ケンジがこんな風になってるなんて思わなかったから最初会った時はビックリしたっすよ。けどまぁ、中身は全然変わってなかったから、つい懐かしくなって」
懐かしくなってつい、盛り上がってしまった結果、付き合うようになったという事だろうか?
あまり想像はしたく無いが、そんな感じなのだろうと勝手に納得する。
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