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第6話
「それで明日二人で会う約束してきちゃったわけだ。」
「うん、蓮一人に図書館へ行ってもらって本の題名だけ聞くのもなんか変な感じだし。」
「だから気をつけろっていったろ。」
「そうなんだけど、だって、話の流れ的に言い出しづらい感じだったし。」
夜、辰巳と夕食を食べながら話をする。今日は春眞の家に集まって夕食を食べている。
本日の夕食は肉野菜炒めである。
「なんで、じゃあ次の実験の時その本持ってきてって言わなかったんだよ。」
「だって、なんか話の流れで。言い出せない感じだったから。」
「なーんか、妙にお前に絡むよな蓮。心当たりとか無いわけ?」
「うーん。無いね。思いつかない。」
そう言って春眞は座卓の中央に置かれた野菜炒めを次々と口に含む。もしゃもしゃと食べていると辰巳もまねて野菜炒めをかき込んでいた。
「まぁどうにか早めに終わらせて帰ってきなね。」
「おう、、」
そして次の日春眞は蓮と図書館に来ていた。
「放課後なのにありがと。」
「いいよ、春眞と話したかったし。」
図書室の中、放課後ではあるが利用者は疎らにおり小声で話す。部屋の隅に置かれたパソコンで蓮は本の思い当るキーワードを並べ検索する。すると表紙の写真付きでデータが出てくる。画面をスクロールしうろ覚えの本の表紙と参照する。白に幾何学模様の入った教本。確か書かれたのは10年ほど前だったはず。
「そういえば、大学一緒だったのに1年の間鉢合わせること無かったよね。」
「歯学部と技工科って学部違うし、普段授業受ける棟も結構離れてるじゃん。」
「サークルの新歓めっちゃ行ったらしいじゃん。俺も結構、新歓行ったけど会わなかったよな。」
「確かに、1年の4月とか週4で新歓行ってた。めっちゃ楽しかった。」
「春眞そういうの好きそうだよね。皆で騒いでイェーイってやつ。」
「うん、嫌いじゃない。まぁ誘われたら行く」
「そっか、じゃあ今度、飲み会開くから来なよ。」
「うーん、今はバイトとかしてるからなー。空いてたら参加したいかな。」
「今日もバイトなの?昨日はバイトがあるって先に帰ってたけど。」
「今日は無いよ。シフトが連続することもあるけど今日は無い。」
「そっか、じゃあ日にち合わせて行こ。あった、これこれ。この本。蔵書場所はっと。」
目当ての本を見つけた蓮は蔵書の場所をメモしパソコンをもとの画面に戻すと春眞と共に本の場所まで向かうのだった。
本のある棚を見つけ蓮は春眞に本を渡す。
「この本に書いてあったよ。理由とか参考文献も書かれてたよ。結構おすすめの本だよ。」
「へー、蓮もこの本使う?同じ研究だし文献必要でしょ。」
「あーじゃあこの後バイト無いなら、レポート一緒に書こうよ。」
「へ?「行こう、近くのファミレスでやろう。」あぁうん、わかった。」
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