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第7話

春眞と蓮は大学近くのファミレスに来ていた。2人は軽食とドリンクバーのセットをたのみ、軽食を食べ終えレポートの製作に取り掛かっていた。  そして春眞は早くも実験結果の考察が書けなくなっていた。実験結果は実験ノートの記録を元に表やグラフを製作したが実験結果の考察はいまいち進んでいない。なんでそんな結果が起こるのか一度本で読んだことがありわかってはいるが文章がとっ散らかっていて伝えたいことがあやふやな感じになっているのだ。  ノートパソコンに向き合いポリポリと後頭部を掻くが今一ついい文章が書けない。悩んでは文章を書き、それを読み返して消す。そんなことを数回繰り返していた。 「春眞さっきから何やってんの?なんか悩んでる?」 「考察を書いてるんだけど、あんまりわかりやすい文章じゃなくてさ。」 「ちょっと読んでみていい?何か一緒に考えつくかも」 「うん、お願い。」 そう言って春眞はノートパソコンを蓮に渡した。蓮はしばらく春眞の書いた考察を読み、何か紙に書きだした。 「えっと、3行目と5行目を入れ替えて、10行目は工夫したらもっと文字数稼げそう。現象の名前を書くんじゃなくて起こったことをいちいち書くとか。あとは15行目は誤字ってる。」  「わかった、ありがとう。」 パソコンを返してもらい、紙に書かれたメモのとおりに文章を変える。さっきまで文章が散らかってわかりづらかったのに、紙に書かれた通りにするととても分かりやすくなった。 「ほんとだ、紙の通りにしたらすごいわかりやすくなった。ありがとう。なんかコツとかあるの?」 横で飲み物を飲みながらパソコンをいじる蓮に聞くと少し考えるそぶりをし 「春眞は書きたいことは一回書き出してどんな文章にしたいかとか、下書きとか書いてる?」 「書いてない、結果も考察もそのまま書いてる。」 「それだと文章がわかりづらくなりやすいから、一回下書きとか作るのおすすめだよ。何を伝えたくて、どこが重要なのか一度考えて書くと文章がまとまりやすい。紙とかに一度文章の流れとかえを大まかに書くんだ。」 「下書きか、やったこと無かったかも。やってみる。ありがと。」  蓮に言われた通りにやると確かに文をわかりやすく書けるようになった。  裏紙やいらない用紙に軽く文章の構成を書いて写真やグラフを入れる位置を決める。それができたら紙に書いたものを元にレポートを書いていく。数時間そうして2人は黙々と作業を進めた。  

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