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承・袖擦り合うも多生の縁

「とんでもございません。これはぼくの不注意からなったこと。助けて頂いた上に貴方様からお代を頂くなんて!」 「いいから気にするな。丁度暇をもてあましていたところだ。さて、まずはお前の足を診て貰おう。ほら、おぶされ」  男が自分の前で跪き、腰を下ろす気配を感じて千景は身動いだ。  背を向けている筈の男は、どうやら千景が狼狽えているのが判ったらしい。千景を急かした。 「でも」 「いいから早くしろ。この格好恥ずかしいんだよ。足、痛いんだろう?」  何度首を振っても、男は意見を曲げない。  千景はややあって男の言葉に甘えることにした。  両腕を男の太い首に回し、身を委ねる。 「お前、軽いな。細いし。あまり飯食ってないだろう」

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