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結び・悲しい結末

 この線香花火にも似た美しい炎が気がつけばいつの間にか千景の心に灯っていた。  つい口走ってしまったけれど、訂正する気はない。  だって訂正してしまえば恋心が偽りになってしまう。  自分の気持ちを誤魔化すこともできないほど、千景の心には虎次郎でいっぱいだった。  ――ああ、けれども彼はもう二度と自分に近づこうとしないだろう。  そう思うと千景の胸が痛む。  手元を見れば、千景の花火は消えている。まるで自分の結末を表しているようだと、千景は思った。 「ごめんなさい、気持ち、悪いですよね」  あんなに虎次郎の顔が見たいと願っていたのに虎次郎の顔が見られない。    目頭が熱くなる。泣きそうだ。  千景は長い沈黙に我慢できず、腰を上げた。直後、虎次郎は静かに口を開いた。

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