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第16話
おやつを食べてお茶を飲んで一息ついたら、またトレーニングの始まりだ。
「朔、まっちゃんの膝に座って。…そう。ちょっと足抑えるな?」
松浦先生に後ろから抱えられるように座ると、松浦先生の足に器用に両足を絡められ動けなくなった。
「今度はまっちゃんが少し手伝うな?」
「…奥までは嫌だ。先っぽだけ。」
「おちんちんの半分まで頑張ろ?これから少しおちんちんの中にジェル入れて滑りよくするからな。」
「…痛そう……。」
「ジェルは痛くないよ。皮下げるな。よし、自分で消毒はしようか。」
「…ぅん。」
ゴム手袋を嵌めた松浦先生に包皮を下げられ陰茎を支えられた。
そこに朔が、消毒していく。
「このシリンジでジェルを入れるからな。ちょっと気持ち悪い感じがするけど痛くはないからな。」
シリンジにチューブから潤滑ジェルを吸い出し、朔の小さな陰茎をしっかりと落ち直すと、シリンジの先を真っ直ぐ尿道口に向け、触れるギリギリの場所からジェルを流し込んだ。
「…うぅぅぅ。…冷たい。ぁ、出て来ちゃう。」
「大丈夫。ちゃんと中に入ったから。気持ち悪いけど動かないよ?朔、カテーテルにジェル着けて?」
陰茎にジェルが入った不快感から、腰をもぞつかせる朔に松浦先生はカテーテルを握らせた。
これは自己導尿のトレーニングだ。
松浦先生がカテーテルを入れたのでは意味がない。
「朔、カテーテル入れるよ。半分までは抜かずに頑張るぞ。」
とぷりとジェルが流れ出てくる尿道口にカテーテルの先端を当て、ゆっくりとした手つきで一センチほど入れる事ができた。
「うん、いいよ。そのままゆっくり進めて。」
尿道口にカテーテルが当たるのを嫌う朔のために、尿道口の割れ目を少しだけ開いてやる。
擦れる部分が減った事と潤滑ジェルが、尿道内を満たしているお陰で目標の半分まで後少しだ。
だけどその半分までの尿道内が僅かに狭まっているため痛みに手が止まってしまった。
「…よしよし、痛いな。狭いとこまで頑張って入れられたな。まっちゃんがもう少しだけ入れるな。
痛いけどここまで入れたら今日はお終いな。」
「…ぅ…ぅぅう"……痛いぃ…抜きたい…。」
「うん、抜きたいもんな。もう一頑張りだな。カテーテル動くよ。」
朔の手に松浦先生が手を添え、ゆっくりゆっくりカテーテルを奥へ動かしていく。
「ッ、!!ぁあ"あ"あ"ーー!…痛いぃぃ!」
狭まっている部分にカテーテルが入り込み、鋭い痛みに顎を突き上げ泣き叫ぶ朔。
無意識にカテーテルを持っている手を引いて抜こうと抵抗するため松浦先生は、手を支えるようにして慎重にスルスルと抜いてやった。
「…ゴホッ!ゴホッ!…あ"あ"ぁぁ…痛いぃ……ゴヒュ…グスッ…」
「もう、終わりな?喉痛めるから叫ばないの。」
顔を真っ赤にして泣き続ける朔を抱き上げ、トントンと背中を撫で擦り落ち着かせる。
若干尿道の真ん中が狭窄していると、秦先生が言っていたが、確かにかなり細く狭まっていた。
次からは尿道を拡張してやらないと、痛みに敏感な朔が、自己導尿ができるようになるのはかなり難しいだろうと結論付けた。
「朔、おちんちんのジェル抜いて、おしっこ出したら帰ろうな。」
朔は仰向けで処置台に寝転び持ってきたタオルハンカチで顔を拭きひくっひくっと嗚咽を零し泣いている。
シリンジの先を尿道口に当てるとビクリとして固まった。
「ジェル抜くだけだからな?大丈夫だよ。」
空のシリンジでジェルを引いていき、尿道口を綺麗に拭いカテーテルを入れていく。
「…っは、あぁぁぁ……いッ!…グスッ…」
「痛いなぁ…。」
やっぱり狭窄している部分で痛みが出ているようだ。
その部分にカテーテルが到達すると立てた膝を閉じて、処置をしている松浦先生の腕を挟んできた。
「次は、おちんちんの中を少し広げような。今より痛みがだいぶ無くなると思うから。」
排尿を済ませ着替えを終えると、荷物をロッカーに取りに行った。
「まっちゃん、ありがとうございました。」
「今日もよく頑張りました。お疲れ様。」
終わりの挨拶を済ませ迎えに来ていたお母さんと帰路に着くのだった。
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