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第17話 ③

今日は、診察の後にトレーニングの予定だった。 「朔、おはよう。」 「おはよう。秦先生。」 診察室で秦先生の診察を受ける間も朔は、落ち着かないのか少しソワソワしていた。 前回のトレーニングの時におしっこの穴を広げようと松浦先生に言われているからだ。 そんなの絶対痛いに決まってる…。 「…朔〜?どうした?落ち着かないか?」 診察も終盤になると診察室の扉をチラチラ見て気にする朔に秦先生は問いかけた。 「…ん。俺、今日は診察終わったら帰りたい。」 「まっちゃんとトレーニングする約束があるだろう?」 「……いやだ。トレーニングしたくない…。」 「どうしてだ?今日はお腹の調子落ち着いてるようだけど。」 「………。……だって、おしっこの穴広げるって…。」 「あぁ…まっちゃんが言ってたな。おしっこの穴広げるのが心配なんだな。」 「ぅん…俺、痛いの嫌なんだ。だから…トレーニングに行きたくない。」 「そうだよなぁ…。」 もうすぐ松浦先生が迎えに来ることになっている。 今日のトレーニング内容を知っている朔が、こうして嫌がりグズグズ言う事を見越して、今日はトレーニングルームで待たずに診察終了時に診察室に来る手筈になっていた。 診察台に座り朔を抱き上げた秦先生は、背中をトントンと撫で朔の気持ちに寄り添う事にした。 「今日は頑張れない…。」 「そっかぁ。頑張れないか。だけどさ…朔、おしっこ出さないとお腹痛くなるよ?後一時間で導尿の時間だよ。」 「……先生がして。」 「先生がしてもいいけど、おしっこの穴が狭くなってるの広げないと痛いのは変わらないよ?」 「…んん"ん"ーー!」 思い通りにいかない状況に仰け反り唸る朔。 そんな中診察室の扉がノックされた。

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