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第18話
「はーい、どうぞ。」
「さーく、おはよう。迎えに来たぞ。」
朔が最も会いたくない松浦先生が迎えに来てしまった。
「ッ!嫌だぁぁ!今日はしないっ!」
松浦先生が抱っこしようと手を伸ばすとペチペチと叩き泣く朔。
「朔、そんなに嫌なら今日はトレーニングやめようか。」
「ぇ?…ほんと?!」
先ほどと打って変わって、松浦先生を見つめる朔は、すっかり泣きやみ嬉しそうな顔をしている。
「ほんと。まっちゃん、嘘ついたことないだろ?
少しだけトレーニングルームに行って、おちんちんに器具着けたらお終いな。
秦先生、お母さんへの連絡お願いします。
予定変更って事で。」
「分かりました。伝えておきますね。朔良かったな。」
「うん!ちょっとだけトレーニングルームに行ってくる。」
松浦先生に手を引かれトレーニングルームへ向かう朔の足取りは軽い。
スキップまでしてしまいそうな朔は、意気揚々とトレーニングルームへ入って行った。
「いつもみたいに荷物はロッカーに入れて、ズボンとパンツも脱いでな。
準備出来たらベッドにゴロンして。」
「……トレーニングしないんだよね?」
「トレーニングはしないよ。まっちゃんが器具着けるだけ。」
トレーニングしないの言葉にホッとして、準備を整えベッドに寝転んだ。
「おちんちん触るな。この銀色の器具をおしっこの穴に入れて固定したら終わりだからな。」
「……ん…。」
ステンレス製のブジーを見せられ、少し不安そうな表情になった朔だが、今日頑張るのはこれだけだと自分に言い聞かせた。
陰茎を垂直に立たされ、包皮を剥かれ導尿の時のように亀頭を消毒された。
「器具入れるなぁ。狭い所が痛いと思うけど、カテーテルより入り易いから力抜いててな。」
尿道口にブジーが当てられると、スーとブジーの重みで自然に尿道内に沈んでいった。
「ぁ、…やだ。んん"ん"ー!」
狭窄している部分にブジーが近づくと、痛みを感じ腰を捩るため松浦先生は足に跨り固定した。
「よしよし、痛いな。もう少し奥に押し込むな。」
まっちゃんが体重をかけて足を固定し、陰茎からはみ出したブジーを摘んだ。
ブジーをグリッグリッと角度を変え動かし奥へ押し込んでいく。
狭窄している場所が押し開かれ、激しい痛みがつま先まで突き抜けた。
「ッ!あ"あ"あ"あ"ぁぁぁ!!…ぐがっ!…ゲホッ、ゴホッ!」
断末魔のような叫びを上げ飛び起き、陰茎を握る松浦先生の腕に噛みついた。
噛み付かれた松浦先生は、そのままブジーの先にある輪を亀頭の部分に引っ掛け固定した。
「朔、もう終わったよ。」
陰茎から手を離してやると、痛みで熱っぽくなった陰茎を隠すようにうずくまってしまった。
「朔触らないよ。また明日取ってやるから、な?留置カテーテル入れたら今日は帰ろうな。」
このブジーはストローのようになっていて、真ん中の穴からカテーテルを入れられるようになっていた。
泣いて嫌がる朔に留置カテーテルを入れてやり尿パックに繋げ、迎えに来たお母さんに託した。
「今日は一日陰茎に拡張用のブジーを着けておいて下さい。また明日抜きますので。」
「分かりました。ありがとうございました。朔帰るよ。」
痛くて泣き続けていた朔は、土曜日でお母さんと一緒に迎えに来てくれていた高三の蒼に抱えられ病院を後にした。
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