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第39話
朔side
回診に来た秦先生と研修医の…えぇと、ぁ…風見先生か。
排便欲求でこっちは気持ち悪いのに悠長に自己紹介とかしてんなよ。
後10分程で注入が終わると言うのに容赦なく襲って来る便意に似たこの感覚…。
初対面の風見先生が居るのに耐え難い排便欲求に声が漏れ出てしまい抱き枕に顔を埋めて声を殺した。
ピピピ…ピピピ…
注入が終わった事を報せる電子音が鳴った。
「お疲れさま。注入終わったよ。今からチューブ抜くね。」
「…やっと終わった。」
「よく頑張ったね。風見先生にチューブ抜いてもらおうね。」
「へ?…ぇ、やだ!秦先生がやってよ。」
は?なんでだよ。
チューブ抜くのクッソ気持ち悪いのにそれを慣れてない先生がするとか最悪かよ…。
「風見先生に今後もやって貰う事あるから、とりあえず今してみようか。」
「はい!朔くんガウン捲るね。」
「ふざけんな!やだっつってんじゃん!…ぁ、チューブに触んな!」
風見先生がガウンを捲ろうとした時に、肛門に入っているチューブに腕が当たって、中まで振動が伝わり不快感極まりない。
「…すみません。秦先生、俺にはできないです。」
「大丈夫大丈夫、できるよ。朔、もう少し協力的になってよ。風見先生、なるべくチューブが揺れないように肛門付近を固定して、バルーンの空気を抜いていって。」
秦先生に足と腰を抑えて固定され、ゴム手袋をはめた風見先生の手が肛門に入っているチューブの根元を支えた。
「朔くん、空気抜いていくね。肛門は緩めたままで我慢してね。」
風見先生が機械を操作して、バルーンの空気を抜いていった。
「…ぁ、待って、待ってって!漏れる!なぁ!…ぅゔ…はふぅ…ぁあ…」
「漏れても大丈夫だから、力まないで我慢。さ〜く、ゆっくり呼吸して。」
「無理!…ぁ、うぁ…気持ち悪ぃんだよ!」
「…空気抜けました。朔くんチューブ抜いていくからね。」
ガーゼで肛門をきつく抑え、チューブを抜き始めた。
「嫌だ…ッうぁ…はぅ、ンッ…ん…ん"ん"ー!」
チューブが引き抜かれると同時に強烈な排泄感が襲いに力むのがやめられず、その気持ち悪さにお尻に手を伸ばしてしまう。
肛門から完全にチューブが抜き取られると、力んで押し出された栄養剤がツーと尻を伝い流れ出すのを感じた。
「朔、お尻触らないで。気になるだろうけど、抱き枕抱えててね。風見先生ガーゼ結構濡れてきてる?」
「はい。自力では、排出やめられないと思います。」
「それじゃあ、プラグ入れちゃおうね。」
何かってに話進めてんだって言いたいところだけど、栄養剤を全部排泄したいくらい気持ち悪くて思うように力が抜けない。
ガーゼを外した風見先生は、そのままプラグを肛門に押し込み栓をした。
「風見先生、上出来だよ。尿カテの抜管もお願いしようかな。」
「それは嫌だ!秦先生がして!」
俺の嫌がりにようやく秦先生が処置をしてくれた。
尻でも抵抗あるのに尿カテまでって拒絶するに決まってる。
だけどまぁ…これから4時間程自由時間だ。
次の注入までロビーで羽根伸ばしますかね…。
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