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単純

 その後どうなったかといえば、まあ単純明解。  理解したくないけど、明解。机に押し付けられた。 「ちょっと、暴れないでよ神楽」 「お前が放せばいいだけ、だっ」  とは言っても、机の上に仰向けで押さえ付けられているせいで大した抵抗は出来ない。  寧ろ、下手に暴れると足が浮いて逆に桜和の思うがままになってしまう。  これ、昼に抱きつかれてたやつの方がまだマシ……っ!  肩甲骨や頭が机とゴツゴツと音を立てながらぶつかって痛い。 「桜和、痛い、って……背中とか机硬いから」 「………馬鹿でしょ」 「は?」  はーっと溜め息をついて桜和は左手で俺を押さえ付けたまま右手で顔半分を覆って軽く頭を振った。 「神楽だって男なんだからわかるでしょ。思春期男子ってのは特にタンジュンなの! 煽りみたいに聞こえるからあんまそう言う事言わないでくれる?」  ──ここじゃなきゃ、いいって言ってるふうにしか聞こえないんだよ。 「なっ! お、ま……」  言い返そうとして言葉が見つからなかった。  指の合間から覗く隠された瞳は静かに熱を揺らめかせていた。  獰猛な欲が、満ち満ちていた。

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